杉並区みどり公園課職員で樹木医の小田啓樹さんに、木を知るためのコツを教えていただきました。
「木は、動物と違い、動くことができません。種が落ちたところ、人間に植えられたところが、その木の一生生活する場所になるのです。そのことをまず頭にいれて、木を見てみましょう。」(小田さん)
【用意するもの】
地図、調査票(ワークシート)やスケッチブック、筆記用具、あればデジタルカメラ、(メジャー)、双眼鏡
【鑑賞の時のマナー】
・むやみに葉や実などをとったりせず、スケッチしたり写真を撮ったりして観察しましょう。
・木の根元は踏まないよう気をつけましょう。根元を傷つけ、樹木を弱らせてしまいます。
・個人のお宅にある場合は、生活している方がいらっしゃるので、訪ねたり敷地内に入ったりせず、外側から眺めましょう。
<まずは周りの様子や、全体の大きさをチェックする>
木は、どんな場所に立っているのだろう。道路のそば?公園の中?庭の中?
日当たりは?その場所は、昔どんな様子だったのだろう。
枝は、どんな風に伸びているだろう。横?ななめ上?たれ下っている?
木は、どれぐらいの高さだろう?たとえば、大きい電柱は約12m、2階建ての建物ならば約6m、ビルの1階部分の高さは約3m。周囲の建物の高さを知っておけば、それを目安にして、おおよその木の高さを知ることができる。
<根元を見る>
実は、根の形は木によってさまざま。板のような形のものもあれば、象の足のような形のものもある。人にいつも踏まれていれば、きっとその木は弱っているはず。
樹木が、どんな風に地面に根を張って立ち、水や栄養分を吸い上げているかを見てみよう。
<近づいて樹皮を見る>
カビやキノコの菌などが生えていないだろうか。コケが付着していたら、それは樹齢が高いことやその他の原因で、あまり幹が太らなくなっている証拠だ。アリが忙しく右往左往していたら、空洞ができているかもしれない。
<落ちている葉の様子を見る>
葉は、木が成長するためのエネルギー工場。形・厚さ・葉脈・においなどをよく観察してみよう。季節によっては、木の実が落ちていることもある。実際にその特徴をスケッチしてみると、いろいろなことに気がつくはず。似ている葉を見つけて、比べてみるのもいいだろう。慣れてくると、葉を見るだけで木の種類が分かるようになる。
観察方法を簡単にまとめた表紙と、書き込むためのワークシートの合計2ページのPDFです。ご家庭のプリンターにあわせたサイズで印刷して使用することができます。
PDF:貴重木しらべ、樹木しらべ用ワークシート(337.4 KB )