ふんわりと漂うバナナの香りに誘われて一口食べると、柔らかなスポンジの中からとろりとこぼれるバナナ風味のカスタード…「東京ばな奈」は今や東京みやげの代表格になった。でも、この菓子が杉並生まれだとご存じだろうか?
「東京ばな奈」の生みの親は、阿佐谷南に本部がある株式会社グレープストーン。阿佐谷パールセンター商店街にある菓子店「ぶどうの木&鎌倉座」の運営会社、といった方がわかりやすいかもしれない。グレープストーンは東京ばな奈の「東京ばな奈ワールド」ほか「鎌倉五郎本店」「銀のぶどう」などの複数の和洋菓子ブランド、飲食店を展開するほか、和洋食器の店を運営。いわば、トータルに食を演出し、食の豊かさを運ぶ企業だ。
「東京ばな奈」の発売は1991(平成3)年。幼い頃、誰もが大好きだった思い出のバナナの味を見つけられる菓子として誕生した。社長の荻野惇氏が「東京を代表するお菓子になるように、皆にかわいがっていただけるように」と女の子風の名前をつけたという。発売するや、ばな奈ちゃんの人気は急上昇。2017(平成29)年時点で、一年の販売数を並べると東京から太平洋を渡ってアメリカに上陸するほどの長さにもなる。
グレープストーンでは、基本的にブランドの菓子はブランドショップのみで販売。阿佐谷の「ぶどうの木&鎌倉座」には多数のブランドが集合し、人気のかご盛りチーズケーキ「白らら」(季節味)も買える。期間限定の菓子もあるので、足を運んでみてはいかが。