龍光寺(りゅうこうじ)の梵鐘は区内最大。戦時中の金属類回収令(※)で供出したため、1954(昭和29)年に口径四尺二寸(127cm)、重量四〇四貫(1,515kg)の梵鐘を再鋳。全国の有名寺院百か寺の梵鐘をつき歩き、それを参考にして京都太秦の鋳物師に作らせたそう。天女と龍の図柄も素晴らしいけれど、負けず劣らず音色も美しい。ちなみに、一般的に2分程度である余韻が、ここ龍光寺では3分もあるとのこと。
境内の要所に桜の木があり、春になるとさまざまな角度から楽しめる。
(※)金属類回収令とは金属供出ともいわれ、戦争中に鉄・銅製品を家庭や工場から回収して軍事生産に回されたことを示す。1942(昭和17)年には回収令による強制譲渡命令を出して寺院の仏具・鐘楼まで供出することになった。