パールセンターの中程にあるとらや椿山(ちんざん)は、大正14年の創業以来、年中無休で営業し浮き沈みの激しい業界にあって90年以上の歴史を誇っている。店名は初代、寅三郎氏の名前から“とらや”、俳句の雅号から“椿山”とした。店名にちなんで、店内のテーブルや椅子、照明器具にまで螺鈿(らでん)の椿が施されているので、お立ち寄りの際にはご注目あれ。賑やかな通りから一歩店に踏み入れれば、そこはゆっくり落ち着ける空間なこと間違いなし。
おすすめ商品
名物大栗まん(430円)は、昭和30年代後半、職人による菓子作りのコンクールを開いたときに誕生した。厳選した大粒の国産栗を丸ごと蜜漬けにして寝かし、白手亡(てぼう)餡(白いんげんの餡)に包み、大栗型に入れて焼き上げたもの。香ばしく焼きあがった皮に、栗らしく見せるために施した芥子粒がアクセントになって、大きくてもあっさり食べられる美味しさ。そのほか、戦前からある最中(250円)や羊羹(1本3,450円)、一枚一枚丁寧に焼き上げたカステラ(ご家庭用730円)、といった定番商品から、四季おりおりに丹念に作られる生菓子など多種多彩。店内ではあんみつ(750円)や田舎しるこ(850円)、年配者に好評の特性粟ぜんざい(900円)やくずきり(1,000円)などがいただける。金属を使うと味が落ちるので、機械は一切使用せず全て手作り。