98歳(2015年2月現在)にして今なお現役で活躍している女流画家・入江一子氏。鮮やかな色彩と光の表現が美しい彼女の作品を集めた美術館が、JR阿佐ケ谷駅から徒歩6分の閑静な住宅地にある。
もともとは入江氏の自宅であったが、改築して2000(平成12)年に個人美術館をオープン。館内には彼女のライフワークであるシルクロードと花の連作をはじめ、小品から200号の大作まで常時100点以上の作品が展示され、季節ごとに入れ替えられている。記念館という名に相応しく、女子美術大学時代の初期から現在に至るまでの作品が鑑賞できるほか、自らシルクロードの地で集めたという様々な楽器や民族衣装、小物、そして敷かれている絨毯など見応え十分。現地で描いたスケッチも展示されており、これらを反映した大作と合わせて見ることができる。まるで作家のアトリエに訪問しているような圧倒的な臨場感を味わえるだろう。
金、土、日曜のみの開館なので、訪れる際はご注意を。運が良ければ、とてもチャーミングな入江氏本人と出会えるサプライズも起こる希有な美術館だ。
※入江一子さんは2021(令和3)年8月にご逝去されました。故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。