井草八幡宮(いぐさはちまんぐう)は青梅街道と早稲田通りの交差点そばにある。明治時代までは、源頼朝が名付けたとされる昔の地名から「遅野井(おそのい)八幡宮」と呼ばれていた。樹木茂る約一万坪の敷地は、都内の神社で4番目に広く、一歩入れば大通りが近くにあることを忘れるほど厳かな雰囲気に満ちている。
入口は2ケ所あり(※1)、井草八幡前交差点側の北参道では、木々の緑に映える朱色の大鳥居と、高さ9メートルの大灯篭が迎えてくれる。この鳥居は、東日本大震災で破損した石鳥居に代わって、2013(平成25)年に建立されたものだ。もう一方の青梅街道沿いの入口には、1957(昭和32)年建立の大鳥居があり、そこから流鏑馬神事(やぶさめしんじ)の馬場となる直線距離200メートルの東参道が伸びる。「広告や宣伝は一切やっていないんですよ。」と神職は言うが、5年に一度の流鏑馬を始めとする行事は参拝客で大にぎわいだ。
境内にある「文華殿(※2)」では、付近で出土した土器、武具、奉納額を収蔵展示している。また、併設の「井草民族資料館」では、周辺の氏子から寄進された生活用具や農工具などを見ることが可能だ。
井草八幡宮の創建年代は不明だが、1190年代ではないかとされている。当初は春日社を祀(まつ)っていたが、源氏の氏神が八幡宮であったため、八幡大神を祀るようになった。かつて社前には、源頼朝が1193年に植えた赤松と黒松があったが枯れてしまった。現在、枯れた松の根の一部を拝殿の回廊に「ついたて」として飾っている。
1664年には、今川氏堯(いまがわうじなり)によって本殿が改築された。「朱雀(すざく)の本殿」と呼ばれる一間(1.8メートル)四方の朱漆りの本殿は、杉並区最古の木造建築で、今は覆殿内に納められている。
※1 開閉門時間は季節により異なる。時間は公式ホームページを参照
※2 例祭日(9月30日~10月1日)に無料公開
9月30日(月)、10月1日(火)、6日(日)
30日 17時 例大祭宵宮祭
16時~21時 文華殿公開
18時 井草の大太鼓
その他 井草囃子、献華
正午~22時頃まで出店あり
閉門 22時00分頃
1日 10時 例大祭当日祭
11時~21時 神楽(途中休憩あり)
11時半~16時 野点席
13時~15時 剣術奉納演武
13時~21時 文華殿公開
18時 井草の大太鼓
その他、井草囃子、献華
正午~21時半頃まで出店あり
閉門 21時30分頃
6日 青梅街道渡御
13時 発與式(はつよしき)
神輿渡御(みこしとぎょ)
17時 還幸式(かんこうしき)
午後 井草囃子、空手演武
参道の出店なし
閉門 17時40分頃
詳しくは公式HP参照 http://www.igusahachimangu.jp/
※井草八幡宮のお祭りは、神幸祭(三年に一度)、流鏑馬神事(おおよそ五年に一度)、青梅街道渡御(神幸祭・流鏑馬神事ではない年)がある
※本年の神事は、井草八幡宮と区立桃井三丁目緑地入口(旧クイーンズ伊勢丹横を入った所)を往復する青梅街道渡御が行われる