富士学園(民営化宿泊施設)

区の校外学習施設の設置から交流がスタート

富士北麓、山中湖そばの高原に位置する山梨県忍野村(おしのむら)。見どころに、世界文化遺産に登録された富士山の構成資産「忍野八海」という8つの湧水池がある。村から見える富士山の姿もたいそう美しい。
1964(昭和39)年、杉並区は忍野村忍草に、小学生のための校外学習施設「富士学園」を設置した。50年以上たった今も、区内の小学5年生が各校入れ替わりのスケジュールで2泊3日の移動教室を行っている。児童たちは自然豊かな村で登山や郷土料理のほうとう作りなどを体験。夜は学園内でのキャンプファイヤーや肝試しで盛り上がる。
また、杉並区は忍野村と2012(平成24)年に災害時相互援助協定を締結。例年、杉並区役所で、忍野村から見える富士山の写真展と村の物産展を開催するなど、交流を深めている。

湧水池「忍野八海」の1つ、鏡池

湧水池「忍野八海」の1つ、鏡池

1991(平成3)年に建て直しをした富士学園。今では杉並区民のみならず誰でも利用できる

1991(平成3)年に建て直しをした富士学園。今では杉並区民のみならず誰でも利用できる

研修室と体育館のある富士学園

富士学園は「忍野八海」へ徒歩15分ほどという自然のなかにある。主要道路から離れており、静かにゆっくり過ごしたい宿泊客に好評だ。付帯施設として広い研修室と体育館を完備。バレー・卓球・バドミントンなどの体育系の合宿はもちろん、研修・会議などにも便利に利用できる。また館内には、炭酸水素イオンやメタけい酸などの成分を含む湧き水を使用した大浴場があり、旅の疲れを癒せるのも嬉しい。客室は10畳以上の和室。夕食には四季の素材を使った会席風料理が提供されるほか、屋外炊事場(冬季は閉鎖)でバーベキューを楽しめる。子供用メニューや子供用ゆかたの用意もあり、家族連れにもやさしい施設である。

富士学園は移動教室先としても活躍

富士学園は移動教室先としても活躍

体育館がありスポーツ合宿に便利

体育館がありスポーツ合宿に便利

富士の絶景とアミューズメント施設を堪能

富士学園からの散策には、忍野八海と山中湖を周遊するバス「ふじっ湖号」を使うのがおすすめ。春は忍野八海の桜観賞、夏はJA野菜直売所や富士北麓市場での地産野菜の購入、秋はもみじ回廊で紅葉がり、冬は山中湖のドーム船でワカサギ釣りをして、日没のころ絶景といわれるダイヤモンド富士を見るなど、四季折々の楽しみ方ができる。また、大人も子供も楽しめる大型遊園地「富士急ハイランド」へは、車で15分ほどと好アクセス。このほか施設周辺には、透明度の高い富士の湧水を使用した淡水魚専門の「富士湧水の里水族館」や、富士山からの気象観測で活躍したレーダーを移設した「富士山レーダードーム館」、2015(平成27)年にリニューアルした「ふじさんミュージアム」など観光施設も多い。足を伸ばして「富士サファリパーク」や遊園地「ぐりんぱ」へ出かけることもできる。
支配人の小俣さんは、「年に数回、杉並区発着のバスツアーを企画しております。当施設を起点としたさまざまな観光コースをご提供しておりますので、興味のある企画にはぜひご参加ください。皆様のご利用を心からお待ち申し上げております。」と語る。杉並区と忍野村との交流誕生のきっかけとなった富士学園に宿泊して、富士山観光をお得に楽しんでみてはいかがだろうか。

紅葉が目に鮮やかな「もみじ回廊」

紅葉が目に鮮やかな「もみじ回廊」

さまざまな絶叫マシンや、子供に人気のトーマスランドなどがある「富士急ハイランド」

さまざまな絶叫マシンや、子供に人気のトーマスランドなどがある「富士急ハイランド」

DATA

  • 住所:山梨県南都留郡忍野村忍草2997
  • 電話:0555-84-7031
  • 補足:宿泊料金・予約については公式ホームページをご確認ください
  • 公式ホームページ(外部リンク):http://www.fujigakuen.jp/
  • 取材:西永福丸
  • 撮影:写真提供:富士学園
  • 掲載日:2015年10月19日
  • 情報更新日:2019年12月19日

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