モダンな店内でバングラデシュの家庭料理がいただける(写真提供:EXPERIENCE SUGINAMI TOKYO)
「トルカリ」は、バングラデシュ南東部クミッラ地方の家庭料理を味わえるレストラン。ラーメン店やカレー店、アジア料理店が並ぶ高円寺の大一市場内にあり、系列店が神保町にある。
料理はバングラデシュ出身の女性シェフが作っており、高円寺にいながら本場の味を楽しめる。初めてバングラデシュ料理に挑戦する人も、スタッフがメニューの説明をしてくれるので安心だ。クミッラ地方の料理は、バングラデシュ全般と比較して油と塩気がやや控えめなのが特徴。また、バングラデシュは人口の89%がムスリムなので(2019年度UNDESA調べ)、トルカリのメニューもすべてムスリムフレンドリー(※1)だ。最近ではムスリムの方の来店も増えてきたという。スタッフは「高円寺はカレー店が多い街。ビリヤニ(※2)を提供する店舗も増えてきました。トルカリはバングラデシュの家庭料理の店なので、他の店と違う食体験ができます」と話す。
ランチの人気メニューは、バングラデシュの家庭料理がワンプレートに盛られた「ボルタバジセット」(1,050円)。「マッシュしたもの」を意味する珍味「ボルタ」は、野菜や魚などにスパイス(クミン、コリアンダーなど)とマスタードオイル、玉ねぎ、にんにく、しょうがなどを加えてペースト状にしたもので、バスマティ米(※3)にのせて食べる。キレの良い辛さの中にほんのり酸味も感じられ、ごはんがすすむ総菜だ。ボルタの食材はその日の仕入れによって替わり、現地食材を販売する店でしか手に入らない干し魚「シュキ」が使われることもある。「バジ」はスパイスで味付けした野菜炒めや蒸し物で、日によって具材が替わるため、いろいろな味を試したくなる。辛味が足りない場合は、添えられている生青唐辛子をかじり自分で辛さを調節する。辛さが苦手な人のために、マイルドなボルタバジセットもある。
夜はビリヤニやカレーなどを単品でも味わえる。「メニューは試行錯誤しながら決めています。今後も工夫し開発していきたい」とスタッフは言う。
ほぼすべてのメニューがテイクアウト可能(容器代100円)。水曜日は、ボルタバジを具にしたおにぎりを販売している。
・ランチ平均:1,050円 ディナー平均:1,550円
※1 ムスリムフレンドリー:イスラム教徒が必要とするものを理解し、できる範囲で適切なサービスを提供している。店舗自体はハラル認証レストランではない
※2 ビリヤニ:インドや周辺国で食べられている、スパイスと肉の炊き込みご飯
※3 バスマティ米:インドやパキスタンなどで日常的に食べられる米