ぼくはオンライン古本屋のおやじさん

著:北尾トロ(風塵社)

フリーライターの北尾トロさんが、仕事場のある西荻窪を発信地に、オンライン古本屋「杉並北尾堂」を副業として開業、奮闘した日々をまとめたエッセイ。「本棚がいっぱいになってしまった。オンラインで売ったらどうだろう。」思いつきで始めたものの、商売は初めて。くわえてパソコン音痴。妻から「最近、仕事あまりしてないよねえ」ときつい一言を浴びながらも、ヘンな本中心の本好きが楽しめるサイトを設計、おまけをつけた販売方法などオリジナルのアイデアも取り入れ経営を軌道に乗せる。さらに、顔馴染みのブックカフェにはじまり、一般書店、古本市への出店も実現。本書には、オンライン古本屋のノウハウが、北尾さんのユーモラスな語り口で体験談とともに詳しく解説されている。また、お客をはじめ、本屋さん、古本屋さん…、西荻窪を中心に杉並の本好きの人たちも多数登場。杉並に暮らす広い層の人々が共感できる一冊だ。
作者メッセージ
「新刊書店、古書店、図書館をうまく使って良き読書生活を!!」(北尾さん)
おすすめポイント
「杉並北尾堂」を通して、本に関するトータルな活動も夢見ていた北尾さん。仲間は仲間を呼び、愛着のある西荻窪を中心に地域密着型の活動も展開していく。西荻在住の漫画家さんの本の出版(西荻カメラ)、タウンペーパーの発行(西荻丼)、本に関するトークライブやワークショップの開催(西荻ブックマーク)など、次々と新風を巻き起こし続けてきた。現在、古本屋業は休止中だが、「杉並北尾堂」は、北尾さんのマイペースな近況と、どこにでもありそうでどこにもない不思議な町、西荻窪の魅力を、さらに発信し続けている。

▼関連サイト
関連書籍『西荻カメラ』はこちらから

DATA

  • 取材:井上直
  • 掲載日:2014年02月17日