アニメの原画マン(アニメの制作過程で、動き始め・重要な中間ポイント・動き終わりなど動きの要所を描く人)になることを夢見る主人公・三門撤兵はアニメ制作会社イエローサンに就職する。アニメの街・上井草を舞台に、憧れの女子、優しくて厳しい先輩、愉快な同僚と共に奮闘の日々が始まる。2012年8月時点でコミック1巻が発刊中。
作者インタビュー
漫画家でもありアニメーターとしても活躍している作者の渡辺さん。上京して初めて所属したアニメ制作会社が下井草にあり、以来10年以上区内在住。本作の主人公がアニメーターなので、著者が現在所属しているアニメスタジオやアニメ制作会社がたくさんある上井草を舞台にしたそうだ。「アニメの仕事を中心に暮らしてきましたので苦しいことも楽しいこともここで見つけてきました。井草森公園は疲れた時などよく散歩していました。池にいる鴨がガァガァと可愛いです。」と杉並への思い入れを語る。「アニメーターは視聴者を楽しませるため、昼夜問わず仕事をすることもあります。上井草でも深夜のコンビニで見かける若い人はアニメーターの確率が高いです。また、深夜に電気が点いている建物はアニメスタジオの確率が高いです(笑)。みんな頑張っています。」
おすすめポイント
ギャグあり、お色気シーンありのコメディタッチの話だが、夢に向かって素直に頑張る主人公が清々しい。駅前のロボットの銅像や実在の喫茶店のサンドウィッチなど地元を知っていると楽しめるネタも織り込まれている。リアルなアニメの仕事現場が描かれており、アニメ制作には細かい作業と、たくさんの人の努力が必要なことも伝わってくる一冊。
(C)渡辺とおる/角川書店