杉並区青梅街道沿いにある、小さなビジネスホテル「クラブイン荻窪」。本書はここでウェディングプランナーとして活躍する大和田さんが記す、8組のリアル結婚ストーリーである。病気の母を心配する新郎、妹にも幸せになってほしいと願う新婦、東日本大震災直後に式を挙げてもいいだろうかと悩むカップルなど、物語に登場する人たちはそれぞれに悩みを抱えている。それはすべて自分のためではなく、まわりの人への気づかいから生まれたものだ。「クラブイン荻窪」のウェディングスタッフは、そんな人々の思いを汲み、最高の結婚式にしようと毎回全力でサポートをする。喜びの涙に包まれた結婚式の様子に思わずもらい泣きをしてしまうような感動ストーリーが満載。
おすすめポイント
ごく普通のビジネスホテルでありながらウェディング事業が好調で、いまや毎週のように結婚式が行われるようになった「クラブイン荻窪」。本書からは、こぢんまりした式場という利点を生かし、顧客のニーズに応えて気配りをするスタッフの奮闘ぶりが伝わってくる。アットホームな自分たちらしい式を挙げたいというカップルの参考になりそうだ。第5話では、地域に根差した取り組みとして、クラブイン荻窪が無料で結婚式をプレゼントするストーリーが描かれている。これは荻窪音楽祭に合わせたイベントで、3組のカップルが地元の方々に祝福されながら杉並公会堂で式を挙げる様子が微笑ましい。