おいピータン!!

著:伊藤理佐 (Kiss 講談社)

食べることが大好きで、太っていて、でも男前な大森さんと恋人の渡辺さん。彼らを中心に、多彩なキャラクターの日常が食を通して描かれるオムニバス・コメディ。有名店のデザート、おふくろの味、残り物ごはん等、食べ物のあるあるネタが満載だ。平成17年度講談社漫画賞・少女部門受賞。2011年10月現在、コミックスが第12巻まで発売中。
おすすめポイント
JR阿佐ヶ谷駅1番線、中央・総武線車内から見える「鉢の木」の看板など、杉並区民にはお馴染みの風景が作者の感性で描かれている。飲食店の描写が多く、特に印象に残るのが第4巻に登場する荻窪の人気店「ル・クール・ピュー」(作中では「ル クールピュル」と表記)。パティシエが「酔うとおちゃめになるムッシュ」として描かれているのだが、同店代表取締役の鈴木さんによると、なんと作中の描写はほぼ事実だという。作者と面識は無く、どうやってこの事実を知ったのか不思議に思いつつも、「お店を開いたばかりの頃に(漫画の事を)知ったので、とても嬉しかったです」との事。仲間内でもこの話題で盛り上がっただけでなく、お客様からも「本を読みました」と声を掛けられるそう。登場人物達の生活を身近に感じながら、杉並グルメを堪能したくなる作品だ。恋に仕事に大忙しの20~30代にお薦めしたい。
(C)伊藤理佐 /講談社

DATA

  • 取材:みん
  • 掲載日:2011年11月03日