中央線で猫とぼく
あの日、あのコと目があって

著:北尾トロ (KADOKAWA メディアファクトリー)

北尾トロさんが、中央線界隈での暮らしとともに、猫をめぐる様々な思い出を綴ったエッセイ。
猫との出会いは、北尾さんがまだ大学生で、中野の寮から阿佐谷のアパートに引っ越した時だった。生まれて初めて接した猫の名前は、記憶によると「金太郎」。その後、生活の変化に伴い、高円寺、吉祥寺、阿佐谷、西荻窪、国分寺と移り住んでいくが、その場その場で出会った猫との約30年間にわたる記録が細やかに描かれている。時には公園を住処とする野良猫であったり、知人宅に住む高級感あふれる猫であったり。涙涙の別れや猫が取り持つ新しい縁など、動物好きにはたまらないエピソードが満載だ。
おすすめポイント
北尾さんは、一人暮らしを始めるまで猫と無縁だった故に、猫の行動や生態をまったく知らなかった。関わった猫たちにより、猫の行動や気持ちを段々と解するようになっていくその過程が面白い。また、猫の性格や行動が人間に例えられ、まるで知人か家族のように描かれており何ともいえず暖かい気持ちになる。強い愛が感じられる作品だ。挿絵、巻頭の可愛らしいイラストに加えて、猫たちの微笑ましい写真が要所に散りばめられているところも楽しい。

文庫化と改題

2015年5月に文庫化され、文春文庫から『にゃんくるないさー』に改題され発売中。

北尾トロ著『にゃんくるないさー』文春文庫

北尾トロ著『にゃんくるないさー』文春文庫

DATA

  • 取材:雪ノ上ケイ子
  • 掲載日:2015年04月27日

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