西荻窪が持つ、王道からサブカルチャー系まで様々な文化を受け入れるような独特の雰囲気が、本作のイメージにぴったり。
例えば、『ローマの休日』について角田さんは、人生は思い通りにならない現実を承知の上で「世のなかって捨てたものじゃないかも」という錯覚をもたらすところに本作が「すたれない」理由があるのではないかと分析。一方、三好さんは、主人公がローマの『真実の口』に手を入れて抜けなくなる有名な場面から、「嘘」「挟まれた手」をイメージしたストーリーを漫画で表現する。同じ映画について二人の違う視点からの感想がおもしろい。角田さんの人となりや、三好さんのインスピレーションの鋭さ等を味わえるところがおすすめだ。映画ごとに短いあらすじが掲載されているので、その作品を見たことがない人も楽しめる。解説は、社会現象にまでなった映画『世界の中心で愛をさけぶ』の行定勲監督。