高円寺ルック商店街にある「つきじ窯」は、2006(平成18)年にオープンした。店主の本島さんは陶芸歴13年のベテラン。以前、高円寺にあった陶芸クラブがなくなり、本島さんの父親がそのクラブのオーナーと同級生だった縁もあってこの場所に教室を開いた。
コースは、基礎コース、自由コース、ロクロコースの3つがあり、自分に合ったものを選択できる。「初心者は、まず基礎コースをやって欲しいな。」と本島さん。基礎コースは1年かけて、皿やカップなどの制作を含む13の課題をこなし、粘土や釉薬(※)についての知識や、化粧土などを学習していく。「基礎コースの1年だけでは、なかなか全行程を理解するのは難しい。できれば2年ぐらい通ってほしいね。」と本島さんは話す。1回の講習時間は3時間。午前、午後、夜間、深夜のうち好きな時間帯を選んで通える。
制作には、信楽の粘土を使用。通常は電気釜窯を使用するが、年に1度はじっくり焚きあげる穴窯焼成(あながましょうせい)で焼き上げる機会もあり、クオリティの高い焼き物ができるそうだ。本島さん自ら「お金を払った分だけのものが作れるよう、ていねいに指導します。」と太鼓判を押す。
「つきじ窯」の今後の目標は、プロとしての実力を身につけた生徒を輩出すること。年に1回、生徒の作品を集めた展示会を行っている。生徒達は日々、未来の陶芸家を目指し奮闘中だ。
釉薬(ゆうやく):粘土製の器の表面に塗る薬品のこと