区立郷土博物館では、中庭にある水槽で、杉並メダカを十数匹飼育している。2019(令和元)年7月~9月に開催した企画展「杉並の生き物と外来生物」で展示するために、昆虫博士・故須田孫七さんの長男・真一さんから、自宅で飼っている杉並メダカを分けてもらったという。企画展が終わった後も引き続き展示しており、開館中は自由に観賞可能だ。
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水草が茂った水槽を上からのぞくと、水面付近をツイッツイッと泳ぐ杉並メダカが見られる。体長約2~3cmと小さく、動きがとても素早いので、止まった状態をじっくり観察するのはなかなか難しいが、元気に泳ぐ姿がほほ笑ましく眺めていて飽きない。世話をしている博物館職員は「飼育に関し、須田真一さんから“あまり一生懸命に手をかけない方が良い”とアドバイスされましたので、市販のメダカの餌を少しだけ与え、自然に近い状態にしています」と話す。5月から6月頃に繁殖し、当初より数も増えたそうだ。「これからも大切に育て、貴重な東日本型DNAを持つメダカが杉並で守られてきたことを、多くの方々に知っていただきたい。博物館近くの都立和田堀公園にも、セミやチョウをはじめ、さまざまな生き物がいます。来館の際は、ぜひ博物館の周りの自然環境もお楽しみください」