昭和時代に杉並区で撮影された写真約600点を掲載した写真集。その多くは、当時区内に住んでいた方から提供された個人所蔵のスナップ。一枚一枚の写真に、地元専門家が歴史考察を交えながら、杉並への愛情を感じる丁寧なキャプションを付けている。都電杉並線が走る昭和30年代の青梅街道や、テレビが普及する前に区民の娯楽の場だった映画館「シネマ西荻」「阿佐ヶ谷オデヲン座」など、ページを開けば懐かしい風景が広がっている。
A4版280ページの大型本で、写真の内容によって「戦前・戦中の風景と暮らし」「ふるさとの祭りと年中行事」など6章で構成。区内在住の執筆者による「高円寺阿波おどり」「戦後の子どもたち」などの読み物も読み応えがある。
限定2,000部発行で、全国の書店で在庫確認の上、注文可能。杉並区内の全図書館でも閲覧できる。
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商店街の写真に写り込んだオート三輪や、青果店の店先に貼られた昭和30年代当時の高級品「印度リンゴ」の紙など、図らずも記録された昭和の風景に思わず見入ってしまう。生活史料としても興味深い一冊だ。