「いざ!区民ライターさんと東吾妻町の取材に出発~!」
東京駅から新幹線とJR吾妻線を乗り継いで約2時間半、群馬原町駅にやってきたなみすけ。東吾妻町観光協会の一倉さんと、東吾妻町議会議員の齋藤さんが迎えてくれた。「ようこそ、なみすけ。東吾妻町には岩櫃山(いわびつやま)や国指定名勝・吾妻峡、箱島湧水(はこしまゆうすい)など、いろいろな見どころがありますよ」。岩櫃山には昔、戦国武将・真田幸村が幼少期を過ごしたといわれる岩櫃城があったという。
「幸村は鹿の角が付いた真っ赤な兜(かぶと)をかぶっていて、かっこいいな~」
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すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並の交流自治体>東吾妻町
杉並区>杉並の交流自治体>東吾妻町(群馬県)(外部リンク)
東吾妻町観光協会(外部リンク)
幸村に興味津々ななみすけに、岩櫃真田 忍者ミュージアム「にんぱく」の代表でもある齋藤さんが、その施設を紹介してくれた。群馬原町駅の目の前にあり、忍者の道具や武器を300点以上展示しているほか、幸村と対決するVRチャンバラや、手裏剣投げ体験などができる。
「あっ、東吾妻町のキャラクター・水仙ちゃんがいるよ。こんにちは~、いっしょにゲームで遊ぼう!」
なみすけと水仙ちゃんは、レーザー手裏剣バトルe-Ninjaで勝負!
「手裏剣型のコントローラーを使って的を狙うんだね。忍者になったみたいで楽しいな」
たっぷり遊んだ後は、東吾妻町役場へ向かった。
「わぁ~、すごく立派なお城が建ってるよ!」
なんと、そのお城が東吾妻町役場。温泉施設を改装したそうで、遠くから見てもすぐわかる。2階には、幸村はじめ真田氏三代の甲冑(かっちゅう)の展示などもあり、なみすけは幸村の顔出しパネルで記念撮影。また、東吾妻町の偉人・石坂荘作さんの展示コーナーもあった。
「台湾で最初の私立図書館や夜間学校を建てた人で、台湾の人たちから“聖人”と呼ばれているんだって」
町役場では、企画課定住促進係の腰塚さんから、東吾妻町と杉並区の交流について教えてもらった。区役所前での「吾妻の朝市」や、「杉並区・東吾妻町子ども交流会」などを通して交流を続けており、これからは住民同士のつながりも作っていきたいとのこと。
「交流がスタートして35年以上になるんだね。ぼくの友達のタネタも東吾妻町生まれなんだよ~」
腰塚さんに「デビルズタンバーガーが東吾妻町の特産品」と教えてもらったなみすけ。町内5つの飲食店で販売中だが、今回は道の駅あがつま峡で食べてみることにした。
「ベーコンがべろーんって飛び出してて、本当に“悪魔の舌”みたい」
具のメンチカツには、こんにゃくの粉が練り込んである。このように、具材に東吾妻産のこんにゃくを使用し、こんにゃくの花をイメージした舌が付いているのがデビルズタンバーガーの特徴だ。
道の駅あがつま峡の指定管理者の湯本さんは、2024(令和6)年8月から、デビルズタンバーガーのレシピを一新する予定だという。そして、「今後は国内外の方のおもてなしに力を入れていきたいと思っています。忍者に扮(ふん)したダンサーと和太鼓のパフォーマンスも実施予定ですよ」と、笑顔で語ってくれた。
「温泉や足湯がある道の駅が、ますます楽しくなりそうだね~!」
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東吾妻町>道の駅あがつま峡(外部リンク)
道の駅の近くには、人気のレジャー「吾妻峡レールバイク アガッタン」の雁ケ沢駅(がんがさわえき)がある。
「電車が通らなくなった線路の上を自転車型トロッコに乗って観光できるんだって!」
ところが残念、この日は雨で運行中止だった。がっかりしているなみすけのために、地域おこし協力隊の山下さんが特別にトロッコを見せてくれた。一般用のトロッコの前後にバイク型トロッコが並んでいる。スタッフが道中これに乗って先導してくれるというから安心だ。
また、地域プロジェクトマネージャーの小川さんが、コース沿いを自動車で案内してくれた。コースの周りは緑がいっぱいで、とても良い眺め。途中には、かつて日本で一番短かった鉄道トンネル「樽沢(たるさわ)トンネル」もあった。
車でアガッタンの吾妻峡八ッ場駅に到着した後、さらに八ッ場ダムまで連れて行ってもらった。
「なんだろう?ザーザーって、すごい音がするよ」
「ちょうどダムの放流中ですよ、見てみますか」と小川さん。八ッ場もみじ橋の上から眺めると、右岸に放流口が見えた。
「ひゃーっ!すごい勢いで水が噴き出してるーっ!」
その後、八ッ場ダム全体を見学できる展望台「八ッ場見放台」にも行き、広々とした景色も堪能した。
小川さんは、2018(平成30)年に杉並区の阿佐谷から東吾妻町への移住を希望したという。「ちょうどアガッタンの職員を募集していたので、やってみようと思ったんです」。この町は、野菜がおいしく、星空もきれいで気に入っているそうだ。移住コーディネーターの富澤さんも「東吾妻町への移住に興味がある人は、ぜひ実際に見にきてください」とニッコリ。町の魅力を伝えるために、個人SNSを活用して情報発信しているそうだ。
「町をもっと盛り上げようと、みんなでがんばっているんだね~」
ランチは群馬原町駅のそばにある「さかえ鮨(すし)」で食べた。メニューにデビルズタンバーガーの寿司(すし)バージョンもあって気になったが、「川鮮5種にぎり」を注文。東吾妻町名物のニジマス・ギンヒカリやシルクサーモン、イワナの黄色いイクラなどがセットになっている。
「さっぱりしてるから、ぱくぱく食べられるよ~」
なめらかなシルクサーモンがとても気に入ったなみすけ。この店で扱う川魚を育てた「あづま養魚場」に行ってみることにした。1961(昭和36)年創業で、現在は三代目の池田さんが、養殖事業のほか、釣り堀や食堂を運営している。オリジナルブランド魚・シルクサーモンを生み出したのも池田さんで、「水産業は高齢化による働き手不足なので、若い従業員と技術向上に取り組みながら新しいことにも挑戦していきたい」と頼もしい。
「川魚がこんなにおいしいなんて知らなかったよ~。東吾妻町のお水がきれいだからだね!」
養魚場の近くには、日本名水百選の一つ、箱島湧水がある。取材をした日は蒸し暑かったが、湧水付近はひんやり涼しく、水くみ場で触った湧水はとても冷たかった。例年6月中旬から7月中旬にかけては、ホタルも鑑賞できるそうだ。
「帰る時間になったからホタルは見られなかったけど、東吾妻町の元気な人にいっぱい会えてうれしかったよ~」
緑に包まれた初夏の東吾妻町を満喫したなみすけ。秋は吾妻峡の紅葉も絶景と聞いて、また遊びに来ようと思った。
「今度来たときはアガッタンに挑戦してみよう!道の駅のリニューアルも楽しみだな~」