ミラーガラスが目を引く建物。そばには杉並清掃工場の煙突がそびえる
高井戸地域区民センター(建物名:高井戸市民センター)は、地域住人の憩い・交流・学習の場。1983(昭和58)年、隣接する杉並清掃工場の開設に併せて、高齢者活動支援センター(開設時は老人福祉センター)、高井戸温水プールとの複合施設として建てられた。館内に図書室とカフェもある。
高井戸地域区民センターのセンター長・岡さんは「複合施設なので、子供から高齢の方まで幅広い年代の方々に来ていただけるのが一番の特徴です」と話す。授乳室と幼児トイレを備えた図書室や、さまざまな年代の方が交流できるフリースペース「くつろぎの部屋」など、多世代に役立つ施設がそろう。利用者からも「温水プールや図書室などで、一日たっぷり楽しめた」という声が聞かれるそうだ。
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主に、1・2階が高井戸温水プールと高齢者活動支援センターの施設、3階が高井戸地域区民センターの施設となっている。館内は広く部屋数も多い。迷ったり困ったりした時は1階の総合受付で相談しよう。
1階
高井戸温水プールには、25mプール、サブプール、幼児用プールのほか、ジャグジーも完備。夏には1日に約1,400人が利用したこともあるという。
談話室として利用できるフリースペース「くつろぎの部屋」と、ランチメニューが好評の「フォレストカフェ」は、誰でも気軽に立ち寄れる。
このほか、高齢者活動支援センターのマッサージ室、浴室、健康相談室なども同階にある。
2階
図書室では蔵書の閲覧・貸出のほか、杉並区立図書館の本の取り寄せや返却ができる。一般図書だけでなく児童向けの絵本も充実。児童図書コーナーはガラスで仕切られた独立スペースになっているので、小さな子供連れでも気兼ねなく過ごせる。
また、高齢者活動支援センターの講座室や多目的室があり、高齢者団体登録をしている団体が利用可能。趣味の部屋ではビリヤードも楽しめる(高齢者活動支援センター利用証が必要)。
3階
高井戸地域区民センターの集会施設があり、杉並区公共施設予約システム「さざんかねっと」で予約できる。広さが異なる9つの集会室のほか、和室、創作室、料理室、音楽室など、施設の種類が豊富。バレーボールやバドミントンなど、スポーツで汗を流せる体育室もある。
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杉並区公共施設予約システム「さざんかねっと」(外部リンク)
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例年10月に、高井戸地域区民センター協議会主催で、館内全体と施設前の広場が展示・工作・物産展など多彩な企画で盛り上がる高井戸センターまつりを開催。3月の狂言会、4月の高井戸消防まつり、7月の高井戸ちびっ子ぼんおどりなどと合わせ、地域の恒例イベントになっている。
また、高井戸温水プールの水中エクササイズやヨガ、高齢者活動支援センターの折り紙や水引を作る講座など、教室や講座の種類も充実。「地元の栄養士が講師を務める料理教室や、地元の若い音楽家のピアノとバイオリン演奏に合わせて歌う“うたごえサロン”などが好評です」と岡さん。地元の有識者が持つ知識や技能を教える場づくりにも、高井戸地域区民センターが一役買っている。
近年は公園や小学校、図書館などで「お話し会」を開催するなど、施設の外の活動にも力を入れている。2023(令和5)年度からは、近隣の杉並区立高井戸小学校に出向いて施設紹介をするなど、地域学習にも協力。「区民センターを利用してくれる子供たちとの距離感が授業を通してさらに縮まり、親しく挨拶してもらえるようになってうれしいです」と岡さんは言う。
地域住民の利便施設として建てられた歴史を、40年以上経った今も忘れず、コンセプトを踏襲している高井戸地域区民センター。「例えば、講座に参加してくださった方が物づくりと同時に人とのつながりもつくっていく。そういうコミュニティの核となるところであり続けたいと思っています」