明治天皇が利用された御小休所

「今日は荻窪三庭園（※１）へてくてくお散歩♪行ってみよう！」
荻窪南口仲通り商店会に入り、最初の角を左に曲がって少し行くと、高層ビルが見えてきた。
「あれ？ビルの隣に大きくて立派な門があるよ！なんだろう？」
ここは、「明治天皇荻窪御小休所（ごしょうきゅうしょ）」。かつて明治天皇が休息所として利用されていた建物を長屋門と共に移築復元している。この辺りは荻窪駅に近いが、静かで落ち着く場所だ。

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荻窪のランドマーク的存在「西郊ロッヂング」

通りを少し進んだ先の角に、「西郊ロッヂング」がある。
「なんだかすてきな建物だね！」
1931（昭和６）年に建てられた下宿で、現在は旅館「西郊」になっている本館と、賃貸アパートメントにリニューアルした新館がある。外観は建設当時のままで、2009（平成21）年に、本館と新館が国の登録有形文化財に指定されている。建物が面する南北の通りは、荻外荘（てきがいそう）に続く道だ。
「だからこの道は"荻外荘通り"っていうんだね」

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紅葉で有名な大田黒公園へ

「荻外荘通り」を５分ほど歩いて大田黒公園に到着。音楽評論家・大田黒元雄の屋敷跡地が遺志により寄付され、杉並区が日本庭園として整備した公園だ。紅葉の季節のライトアップは壮観で、多くの人が訪れる。
「今日の公園の中はとても静かだったよ。ぼくね、ここでミノムシさんに会ったこともあるんだ！」

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静かな住宅街をてくてく！角川庭園へ

「大田黒公園、すてきだったな～。次は角川庭園に行くよ！」
大田黒公園から杉並区立角川庭園までは、ゆっくり歩いて７～８分。途中で電柱のいくつかに道案内の表示があるので、それに従って行けば迷わずにたどり着ける。
この辺りは静かな住宅地だ。角川庭園は、角川書店を創設した角川源義（かどかわ げんよし）の旧邸宅を整備して作られた。国の登録有形文化財に指定された「幻戯山房（げんぎさんぼう）（旧角川家住宅主屋）」と、四季折々の草花を楽しめる庭園が見どころだ。
「わあ、井戸使っていいの？お水が冷たいね！でも飲んじゃいけないんだって」

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すぎなみ学倶楽部　文化・雑学＞杉並の景観を彩る建築物＞幻戯山房（げんぎさんぼう） （すぎなみ詩歌館）

善福寺川に向けて広がる桜の名所

角川庭園を出て、善福寺川の方へ向かう。
「公園に出たよ。ねえ見て！ぼくの大好きなリンゴがなる木だって！」
この公園は2013（平成25）年に開園した杉並区立大谷戸さくら緑地（おおやとさくらりょくち）。名前の通り、区内屈指のお花見ポイントだ。
「春になったら、桜を見にまた来てみたいな」

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赤いテントが目印、天然酵母パンの名店

「わあ、パンが焼けるいい匂い！」
緑地を抜けて、善福寺川沿いの遊歩道を左に２分ほど行くと、ベーカリーの「zermatt（ツェルマット）」がある。天然酵母を使って焼き上げるパンはハード系からふわふわ生地の甘いパンまで幅広く、多くのファンを持つ。サンドイッチも美味。
おいしいパンを買って公園に戻り、一休みするなみすけ。
「あぁおいしかった！お腹もいっぱいになったし、次は荻外荘公園に行ってみよう！」

※善福寺川沿いの遊歩道は、大谷戸さくら緑地沿いの大谷戸橋～西田端橋付近まで工事のため通行止め（2025（令和７）年３月中旬までの予定）

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すぎなみ学倶楽部　食＞ベーカリー＞zermatt

杉並の新たな名所、荻外荘公園

「ここが新しくなった荻外荘公園なんだね！立派な建物があるよ」
杉並区立荻外荘公園は、2024（令和６）年12月９日から一般公開を開始。園内の広々とした芝生広場を見下ろす位置に、国指定史跡「荻外荘（近衞文麿旧宅）」がある。
これは内閣総理大臣を３度務めた政治家・近衞文麿（このえ ふみまろ）の旧宅を、豊島区に移築していた建物の東側を杉並区に戻して、梁（はり）や柱といった建築部材も含めて当時の姿に復原整備したもの。「荻窪会談」が行われた客間、家の中から蔵に直接つながる扉、調度品など、歴史を感じることができる場所だ。

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「荻窪大福」を見つけたよ

「さぁ、そろそろお土産を探しに行こう。あ、小さな和菓子屋さんがある！ぼく、あんこ大好き！」
荻外荘公園を出て、北西に300ｍほどで突き当たるバス通りを荻窪駅南口の方へ戻ると、角のラーメン店の隣に「和菓子処 荻窪餡」がある。
ここは、滋賀の羽二重餅（はぶたえもち）を使用した「黒豆うす塩荻窪大福」が名物。大福を丸ごとパンに入れた「荻窪大福ぱん」も人気で、ちょっとした手土産にも最適だ。
駅の西口前まで足を延ばせば、カフェ併設の洋菓子・パン屋「Le Coeur Pur（ル クール ピュー）」があり、平日はフレンチのランチも楽しめる。
「和菓子と洋菓子、両方買って帰ろうっと！」

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駅西口前にはグリーンスローモビリティの停留所も

荻窪駅西口には、荻窪三庭園巡りに最適な「グリーンスローモビリティ（略称：グリスロ　※２）」の停留所がある。荻窪駅南側地域の回遊性向上を目的として、2024（令和６）年11月25日から本格運行が始まった。ゆっくりなグリスロに乗って荻窪三庭園を巡るのも、また別の景色が楽しめておすすめだ。
「荻窪のてくてく楽しかった！みんなもぜひお散歩してみてね！」

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すぎなみ学倶楽部　特集＞荻窪三庭園＞グリーンスローモビリティ

※１　荻窪三庭園：区立大田黒公園・区立角川庭園・区立荻外荘公園
※２　グリーンスローモビリティ：時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス、またはその車両も含めた総称