PRIDE(プライド)の大ブームによって日本でも一躍脚光を浴びた総合格闘技。そこで注目を集めた格闘スタイルがブラジリアン柔術。ブラジルに伝わった柔道が変化して生まれたもので、柔よく剛を制することから護身術だけでなくスポーツとしても全世界で広まっている。2014(平成26)年6月、荻窪にオープンした柔術専門ジム「フィジカルスペース柔術アカデミー」の代表である大塚博明さんも柔術に魅せられ、その普及に人生を捧げるひとりだ。
PRIDEのトップランカーであるアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ選手のくり出す変幻自在の技に魅了された大塚さんは、柔術を学ぼうと決意。そこで入門したのがGRABAKA(グラバカ)という格闘技のジムだった。GRABAKAとは、2001年のアブダビコンバット88kg未満級で日本人初優勝を飾った、寝技世界一の菊田早苗氏が設立した国内最高峰のジム。大学卒業後、ここでインストラクターを務めるまでに成長し、独立して自身のジムをオープン。2018(平成30)年7月には三鷹に2つ目のジムを構えた。
現在のフィジカルスペースの会員は20代から60代と非常に幅広い。またその目的も柔術を本格的に学びたいというものからフィットネスジム感覚で楽しく汗を流すなど多岐にわたっている。それでも「できれば試合に出てほしいですね」と大塚さんは語る。目標があるからこそ人は努力できるし、そこに工夫も生まれると言うのだ。では、全日本オープン選手権2018黒帯フェザー級&無差別級優勝などの輝かしい経歴を持つ大塚さんの、次なる目標は何なのだろう。すると「年齢や体力を理由にはじめるのを踏みとどまっている人にこそ習ってもらいたい。そして荻窪に柔術というものを広めたい」との答えが返ってきた。柔術は体格や体力に頼ることなく強くなれる、知を力にできる、文字どおりの「技術」なのだ。
終始笑顔が溢れながらも、会員同士で工夫を重ね、勝つための戦略を練る。そんな練習風景を眺めていると、いつの日か荻窪が柔術の街になるのではないかと思えてくる。
柔術を体験したい!
▼代表の大塚博明さんにメールで確認のうえ見学や体験してみてください。
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