中杉通りから一本入っただけとは思えない静かな住宅街に、コーヒーの葉っぱをデザインした看板がかかっている。「ヴァリエテ」とはフランス語で「多様性」の意味。コーヒー豆は、焙煎と抽出法によって味わいが幾通りにも拡がる。コーヒーを無限大に楽しんでほしいというオーナー増田佳彦さんの想いがつまった店なのだ。
バリアフリーのドアを入ると、クラシック音楽とコーヒーの香りが迎えてくれる。ひときわ目立つ焙煎機は、細部にまでこだわったオーダーメイド。メニューには10カ国以上の豆があり、もっとも美味しく飲めるよう増田さんが焙煎している。どれを飲もうか迷っても、適切なアドバイスをもらえるので大丈夫。抽出法はサイフォンやドリップなど数種あり、客の好みに応えてくれる。さらにカップも選べる。時間をかけて揃えたカップは大きさも色柄もさまざま。フォルムによって口当たりが変わると聞き、どれにしようか悩むのもまた楽し。
増田さんは日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定したコーヒーマイスターであるが、ティーアドバイザーの資格もあり、紅茶好きの人も楽しめる。手作りのチーズケーキはほんのりレモン風味で、思わず笑みがこぼれる美味しさ。
人の集まる場にしたいと、体験教室やミニコンサートなども開き、地域活性化の拠点ともなっている。落ち着いた木調はコーヒーの色かと思いきや、大好きなレッサーパンダの色だとか。そんなお茶目なところも、この店の魅力である。