高井戸駅から徒歩約10分。週末に神田川散歩の足を延ばして、ぜひ訪れたいおしゃれな隠れ家的カフェ。蕎麦好きが高じて自家製粉手打ち蕎麦をはじめたという店主が、休日や(きゅうじつや)を開店したのは2009(平成21)年11月。それ以前は、大晦日だけ開店する蕎麦屋「みそか庵」を10年ほど続けており、現在も大晦日は曜日かかわらず営業している。
自家製粉手打ち蕎麦は、「もりそばの白」と「もりそばの黒」の2種類(各800円)。どちらも契約農家で栽培したソバの実を店内の石臼で挽(ひ)き、手打ちした十割蕎麦である。「白」は北海道幌加内(ほろかない)町産の蕎麦。ソバの実の外皮を除いて中粗挽きの全粒粉にし、素朴な味を生かしている。「黒」は福井県大野市産のオーガニックの蕎麦。外皮ごと粗挽きし、やさしい風味と野趣を併せ持つ。2名以上で訪れる際は、この「白」と「黒」の両方を味わえる「あいもり」がおすすめだ。偶数単位で蕎麦を注文すると、好みによって黒白半分ずつをひとつの皿に盛りつけてくれる。
ソバ粉を使ったガレット(※)も人気のメニュー。「スモークサーモンのガレット」は、ソバ粉のガレットの香りとスモークサーモンの塩味がマッチして、食事としてはもちろん、酒のつまみにもよくあう。
「散歩のついでにぜひゆっくり休んでいってほしい」という店主。ゆったりとした店内には、ロフトスペースに畳のある個室(2~4名程度)もある。また、2~3カ月周期で染織や陶芸の作品などが展示されるアート&クラフトスペース「ギャラリーQ」も楽しめる。
※ガレット:フランス・ブルターニュ地方の伝統料理。フランス語で「丸く薄く焼いた菓子や料理」を指し、薄く円形に焼いた生地に卵・ハム・チーズなどの具材をトッピングしたものが一般的