阿佐ケ谷駅南口より徒歩約5分、産業商工会館前に2017(平成29)年5月にオープンしたベーカリーカフェtonttu(トントゥ)。店名は、北欧民話に登場する赤い帽子をかぶった小さな妖精の名からとったもの。パンのテイクアウトだけでなく、店内ではランチ、カフェタイムでセットメニューが楽しめる。
店主の膝館大輝(ひざたてだいき)さんは、阿佐谷北在住で、これまでベーカリー、イタリアン、フレンチ、カフェなど多様な場所で働いてきた。この店の時間帯ごとに趣向を凝らしたメニュー作りには、これまでの経験が役だっているのだそう。「モットーは“お客様の日常生活に寄り添う”です。場面によって違った楽しみを持てるような店にしたいです」。国産小麦、手作り酵母、発酵バターなど、パンの素材を厳選するだけでなく、調理パンの具材にまで心を配っている。お得意のフレンチの技法で調理された野菜がたっぷり入り、パンのおいしさを引き立てている。
膝館さんは開業以来、町内会の結びつきに支えられてきたという。「台風の時に気にかけてくれたり、阿佐ヶ谷神明宮の例大祭で産業商工会館前から神輿(みこし)が出る時に、店頭で商売繁盛を祈願してくれたりと、心遣いがうれしかったです」。ここは、店と客と地域を優しさでつなぐ場所でもあるようだ。