かつて「東の浅草寺、西の妙法寺」といわれた杉並の有名な寺・妙法寺の山門を背に徒歩約5分、静かな住宅街で香ばしいコーヒーの香りが漂うところに、「珈琲豆おこのみばいせん処」がある。斎洋子(さいようこ)さんが2012(平成24)年6月に、コーヒー豆を計りその場で客の好みの焙煎(ばいせん)する店を、堀ノ内で開店した。
その後、「コーヒー豆のついでにパンが欲しい」とうい常連客の声に、パン作りが得意な娘の若林郁子(わかばやしふみこ)さんが応え、2017(平成29)年8月からはパンの販売も始めた。 国産の小麦粉を使い、添加物を加えないパンは「小麦の香りが高く、噛むほどに甘みが増す」と評判だ。「最近は生焼けのような白く軽いパンを好む人もいますが、うちは時間をかけてしっかり焼く。これが、パンの甘さを引き出すんです」。また、今後は予約限定の「食パンの日」を作り、「お客様の欲しいパンを確実に届けていきたい」と言う。こうしたこだわりはコーヒー豆も同じだ。「食べ物ですからね、“身体にやさしいもの”を扱っていきたい」と斎さんは語る。
休日には「珈琲豆おこのみばいせん処」の香り高いパンとコーヒー豆を手に、妙法寺界隈(かいわい)のかつての参道のにぎわいを思い浮かべながら散策してみてはいかがだろうか。
おすすめ商品
「トーストした時の口に広がるバターの風味と、塩加減が抜群」と評判なのが、塩バターパン(100円)。ベーコンエピ(150円)は、パリパリとした皮とほどよい塩気のベーコンが後をひく。
コーヒー豆は「永福ブレンド」(658円/200g)がおすすめ。香り高く軽く苦みが少ない。以前、永福で開業していた時のオリジナルブレンドで、堀ノ内に移転してからも変わらず人気がある。