西荻窪駅より北へ徒歩約3分、ビルの奥まった場所に、茶の専門店・喫茶去 一芯ニ葉(きっさこ いっしんによう)はある。オープンは2011(平成23)年4月。こぢんまりとした店内には、茶葉の販売スペースと3卓のテーブル席があり、レンガ造りの落ち着いた内装は初めて訪れる客にも親しみやすい。
店主、保坂さんの茶葉と客への愛情あふれる姿勢には、「せっかくだから、おいしいものを」という気持ちがベースにあるという。扱う茶葉の種類は、紅茶と台湾茶を中心に、多い時は50種類にもなり、販売している茶葉はみな喫茶でいただける。茶に詳しくない人でも「こんなお茶が飲みたい」とリクエストすれば、濃さや温度も自在に調節してくれる。
一番人気の茶「アッサム」(カップ540円、ポット800円、アイス740円)は、インドの歴史ある茶園「メレン茶園」の茶葉を使っている。保坂さんの説明を聞きながら、紅茶の歴史や産地の情景を心に思い浮かべつついただくと、茶の味わいも一層深まる。軽食も提供しており、「紅茶とスコーンのセット」(1,295円~)が人気。スコーンや菓子は保坂さんご夫妻の手作りで、飾り気のない素朴さが茶の味を引き立ててくれる。
のんびりとした西荻窪の雰囲気が好きで、ここに店を開いた保坂さん。店名の「喫茶去」は禅の言葉で、「どうぞ、気持ちを休めて一服してください」という思いが込められているそうだ。地元の人から観光客、お茶マニアの人まで、さまざまな客が訪れる同店。気軽においしい茶が飲める、また、買える店として、西荻窪のゆったりとした空気の中に溶け込んでいる。