和だしそぼろカレー(平日昼だけ)

夜はバーになる落ち着いた店内

夜はバーになる落ち着いた店内

店主の経験を生かし「和風に振り切った」カレー

和風だし(かつお、昆布、干ししいたけ、いりこ)をふんだんに使い、かえし(※)と合わせ、独自に配合したミックススパイスを加えた「和だしそぼろカレー」。スパイシー過ぎない優しい味で、年配者のリピーターも多いそうだ。
ごはんの上には、肉そぼろ、大葉、梅干し、かつお節、揚げ玉が盛られ、さらに付け合わせの「刻んだたくあん」と「酢漬けみょうが」。一皿でさまざまな味と食感が楽しめる。
「平日昼だけ」の店主・小山さんは、割烹(かっぽう)や和食店などに勤務。ランチ限定の店を自身で始める際のメニューとして、「そば屋のカレー」を思いつく。カレーは専門外だったが、そば屋を営む先輩などのアドバイスを受け、和風カレーの開発に挑んだ。「市販のミックススパイスでは、だしの風味が負けてしまう。スパイスの配合は大変でした」。その努力が実を結び、和食の経験を生かした具材をのせたオリジナリティーあふれるカレーが完成した。

「和だしそぼろカレー」(880円)。サラサラとお茶漬け感覚で食べられる

「和だしそぼろカレー」(880円)。サラサラとお茶漬け感覚で食べられる

5種類の具材はボリュームたっぷり

5種類の具材はボリュームたっぷり

人気のトッピング「ブーたれ」と「いわしの生姜煮」

カレーは1種類のみだが、数種類のトッピングが用意されている。
「ブーたれ」は、「肉のカレーも食べたい」という常連客のリクエストに応え、豚の角煮をイメージして開発。トロっと軟らかく煮込まれた豚肉は和風カレーとマッチし、さらなる食べ応えを堪能できる。
「いわしの生姜(しょうが)煮」は、「肉のカレーができたので魚のカレーも用意しよう」とメニューに加えた。イワシの土佐煮を参考にした、甘じょっぱい味がどこか懐かしい風味をカレーにプラスしてくれる。
他にもひきわり納豆、温泉玉子、大量の国産ネギを刻んだ「ネギまみれ」があり、好みであれこれ組み合わせて楽しめる。
メニュー開発には小山さん自身の直感に加え、常連客や料理人仲間の意見なども参考にした。「これがひとまずの完成形です」と小山さんは語る。

厚切りの豚バラを煮込んだ「ブーたれ」。スプーンで切れるほど軟らかい

厚切りの豚バラを煮込んだ「ブーたれ」。スプーンで切れるほど軟らかい

「いわしの生姜煮」。他の魚も候補だったがカレーとの相性でイワシに

「いわしの生姜煮」。他の魚も候補だったがカレーとの相性でイワシに

「“平日昼だけ”は店名です」

最初は2017(平成29)年に東高円寺の古民家カフェでのランチ営業からスタート。その後、目黒のテイクアウト専門店を経て、2020(令和2)年12月から荻窪の「BAR Flourish」で、平日昼のみ間借り営業をしている。小山さんは荻窪出身とのことで「帰ってきたって感じですか?」と尋ねると、「そうですね」と照れつつ肯定。
個性的な店名は「オープン前に友人知人に業態を説明する時に“平日昼だけです”と何度も伝えているうちに、これが店名でもいいな」と思い付いたそう。
荻窪には他にも有名カレー店がずらりと並ぶが、「平日昼だけ」はワン・アンド・オンリーの個性で「カレー激戦区・荻窪」の一角を担うことになりそうだ。

荻窪駅から徒歩約2分。カレーとトッピングはテイクアウトも可能

荻窪駅から徒歩約2分。カレーとトッピングはテイクアウトも可能

店舗情報 

・カレー:和だしそぼろカレー
・トッピング:ブーたれ、いわしの生姜煮、ひきわり納豆、温泉玉子、ネギまみれ
・席数:4席
・子連れ:可
・開業:2020(令和2)年12月

※かえし:しょうゆに砂糖やみりんを加え、寝かせたもの

DATA

  • 住所:杉並区上荻1-4-3『BAR Flourish』様方
  • 電話:080-8746-6715
  • 最寄駅: 荻窪(東京メトロ丸ノ内線)  荻窪(JR中央線/総武線) 
  • 営業時間:11:00-14:00
  • 休業:土日祝日
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://twitter.com/Heijituhirudake
  • 取材:嶋野夏樹
  • 撮影:嶋野夏樹
    取材日:2022年08月17日
  • 掲載日:2022年11月07日