フランスのパン屋をイメージしたPain de BRUN(パンドブラン)は、久我山駅北口から東に徒歩約5分、人見街道沿いのマンションの1階にある。店名は、日本語で「茶色のパン」。店主の中村さんは、「ふすま、胚芽などを使ったパン生地は、薄い茶色になるのが特徴なので、あえて店の名前にしました」と言う。
「両親が米好きで、パンを食べるのは月に数回程度」だった中村さんにとって、パンは子供の頃の憧れだった。社会人になってから都内のパン屋巡りを始め、銀座で偶然立ち寄ったBIGOT(ビゴ)のパンのおいしさに感動。かみ応えのあるシンプルなパンに興味を持ち、レシピのイメージを膨らませていった。
2014(平成26)年、「これからは自分がおいしいと思う体に優しい、安心して食べられるパンを作りたい」と、東京都目黒区にあるパン屋griotte(グリオット)で1年間修業。2015(平成27)年7月に店をオープンした。
オープン当初からビーガン向けのパンを作っているが、客の意見を取り入れながらレシピを変えていき、現在の商品ラインアップになったという。メイン商品は、小麦粉、ふすま、胚芽、きび糖、米油、海塩をブレンドして作る「ブラン生地」を使ったパンだ。「栄養価の高い素材を使い、吸収がゆっくりなので、体に優しい。自慢の生地です」と中村さんは語る。しっとりやわらかい食感で、かむごとに感じる甘みが口の中に広がっていく。
店には、近隣の家族、観光に訪れた外国人のほか、遠方からわざわざ来店する客もいる。「縁があってこの場所に店をオープンしましたが、近隣からいろいろな世代の方が来店されるのがうれしいです。穏やかで温かい人が多い。のどかな街の雰囲気と、自分のパン作りのペースがとても合っていますね」と話す中村さん。そんな久我山がとても気に入っているそうだ。
人気商品は、ブラン生地のパンを使ったサンドイッチだ。豆腐、豆などヘルシーな具と、野菜を刻んで作ったソースが絡み合い、しっかりした味で心も体も満足する一品。定番の食パン、バゲットなどもあり、事前に予約も可能だ。
ドリンクも充実している。コーヒーは、世界の全コーヒー豆生産量のわずか5パーセントしかない「スぺシャルティ」グレードの豆を自家焙煎(じかばいせん)。5、6種類の味から選べる(420円より)。小松菜、バナナ、豆乳で作る「グリーンスムージー」(370円)は、まろやかな味が子供から大人まで幅広い世代に人気だ。パンもドリンクも全てイートイン、テイクアウトができるので、その日の気分で選んでみてはいかがだろうか。