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パンとギャラリー ブリ

アートスペースの奥のショーケース。選ぶのが楽しい商品ぞろい

アートスペースの奥のショーケース。選ぶのが楽しい商品ぞろい

アートスペースが出迎えてくれるベーカリー

阿佐谷にある「パンとギャラリー ブリ」はユニークなベーカリーだ。レトロな家具や調度品で飾られた店内には、絵本、雑誌、LPレコード、映画や店の紹介などのチラシが置かれ、一見ギャラリーと見紛う場所になっている。
奥のショーケースには、惣菜パンを中心に食事パン、サンドイッチ、スイーツが並ぶ。店主の丹羽(にわ)さんが趣向を凝らした商品ぞろいだ。2022(令和4)年6月の開店以来、地元民に支持され、常連客は気さくな丹羽さんと会話を交わしながら、パンを選んでいく。

ほうれん草のうまみを生かした「カルツォーネ」。ベーコンが味のアクセント

ほうれん草のうまみを生かした「カルツォーネ」。ベーコンが味のアクセント

阿佐谷で、「好き」を生かせる店舗と出合う

丹羽さんは愛知県出身。さまざまなベーカリーで20年ほどアルバイトを続け、パンの製造・販売の経験を積んだ。阿佐谷に住んでいた時に、ベーカリーだった店舗が空き、思い切って開業した。「前の店はパン教室のためのスペースがあり、壁が白くてきれいなので、ギャラリーにしたら面白いと思いました。元々イラストを描くことが好きで、アートに興味があったんです。店名は好物のパン、ブリオッシュからとり、覚えやすいようにブリと短くしました」。インテリアを少しずつそろえ、好みの空間を作り出した。
阿佐ケ谷駅北口から松山通りを徒歩約15分。散歩途中に偶然見つけて以来、通りがかりには必ず立ち寄ってくれる顧客も多いとのこと。希望すれば、購入した商品をその場で食べることができる。ギャラリーのような空間で、プチくつろぎタイムを過ごしてもいいだろう。

店頭。右手の看板がベーカリーへ案内する

店頭。右手の看板がベーカリーへ案内する

訪問者をゆったりした気分にさせてくれる店内

訪問者をゆったりした気分にさせてくれる店内

届けたいのは体に優しいパン

丹羽さんのモットーは、添加物を使用しない体に優しいパン作りだ。国産の小麦粉や全粒粉、銘柄を決めたバターなど素材にこだわるだけでなく、惣菜パンのフィリングの味にも心を配っている。「なるべくコンソメなどの調味料を使わず、塩・こしょうをベースにして素材のおいしさを生かしています」
ほうれん草たっぷりの「カルツォーネ」(270円)、小腹がすいたときにつまみたい優しい甘さの「カボチャパン」(70円)、顧客のリクエストから生まれた、ブリオッシュ生地の中に和と洋がコラボレーションしている「クリームチーズとあんぱん」(240円)、焼くと中のもちもち感がアップする「天然酵母のくるみクランベリー」(320円)など、多様な食感と味わいを堪能したい。季節のイベントに合わせた限定商品もおすすめだ。

「天然酵母のくるみクランベリー」(右)「クリームチーズとあんぱん」(左上)「カボチャパン」(左下)

「天然酵母のくるみクランベリー」(右)「クリームチーズとあんぱん」(左上)「カボチャパン」(左下)

節分に合わせたかわいらしい鬼のパン(写真提供:丹羽さん)

節分に合わせたかわいらしい鬼のパン(写真提供:丹羽さん)

地元密着の店を目指して

ギャラリースペースでは、顧客による音楽のミニライブや編み物の会などが開催され、ささやかな地域の交流の場になっている。店内の壁を飾るのは、丹羽さんが描いた常連客のイラストだ。開店以来支えてくれた多くの人への感謝を込めているとのこと。店主と客との距離が近いのも、このベーカリーの魅力の一つだ。新商品など店の情報は、公式Instagram(インスタグラム)でチェックできる。
「杉並の人は優しく、よくしてもらっています。つながりを深めて、さまざまな催しができるベーカリーになればうれしいです」と丹羽さんは抱負を語る。情報発信の場としてのベーカリーの今後が楽しみだ。

丹羽さんの顧客への思いが伝わるイラスト

丹羽さんの顧客への思いが伝わるイラスト

2024(令和6)年11月に開催された、30分演劇企画「グッドラック」の様子(写真提供:丹羽さん)

2024(令和6)年11月に開催された、30分演劇企画「グッドラック」の様子(写真提供:丹羽さん)

DATA

  • 住所:杉並区阿佐谷北3-43-15 千代田ビル1F
  • 電話:03-6339-7504
  • 最寄駅: 阿佐ケ谷(JR中央線/総武線) 
  • 営業時間:11:00-19:00
  • 休業:月・火曜、不定休
  • 補足:都合により閉店時間の変更あり。公式ホームページ参照
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://www.instagram.com/buri34315/
  • 取材:村田理恵
  • 撮影:村田理恵、TFF
    写真提供:丹羽さん
    取材日:2025年01月26日
  • 掲載日:2025年03月17日