「ビーフカレー」(890円)。腹いっぱい食べてほしいという思いからライスは300g
阿佐谷北口駅前ビルの2階にある「シャトーまるご」は、夜はワインバーで昼はカレー専門店。店主の後藤さんは「自分の店を出すときは、昼はカレー、夜はワインと決めていた」とのこと。2012(平成24)年の開店以降、ずっとこのスタイルで営業を続けている。
ランチタイムのカレーは通常4種類。基本は「ビーフカレー」だ。塊で仕入れた牛肉のさまざまな部位と共に、夜営業で出しているジビエの肉が入ることも。そのたっぷりの肉に、豚骨スープに赤ワイン、パイナップルなどの果物を加えて、最大3日間ほど煮込んで完成する。とても肉々しいカレーソースは、頬張ると肉のうまみが口の中で爆発するかのようだ。また、深い味わいに貢献しているのがジャム状になるほど炒められたタマネギで、たっぷりと使用され甘みとコクの元となっている。
「シャトーまるご」のカレーにはルーツがある。かつて大田区の石川台にあった「カレーハウス ドン」。最盛期は東急池上線沿線に数店舗あり、ローカルな人気カレー店だったという。小学生の頃にこの店のカレーのおいしさに衝撃を受けた後藤さんは、高校生からアルバイトを始めた。後には店長も任されるようになったが、残念ながら閉店。後藤さんはソムリエなど別の道へと進むことになる。
そして、いよいよ自分の店を出す時に、「飲食店に関わるきっかけとなったあのカレーを再現しよう」と決意。当時のレシピを再現するだけでなく、独自の工夫も盛り込んだカレーを提供している。「カレーハウス ドン」のファンだった人が食べに来ることもあるそうだ。