杉並区立蚕糸(さんし)の森公園は東高円寺駅からすぐのところにある。この公園は、農林水産省蚕糸試験場が1980(昭和55)年に茨城県つくば市に移転した後、その跡地につくられた。レンガ造りの正門や、現在は公園管理事務所として使われている旧守衛所など、所々に往時の姿が残されている。区立杉並第十小学校と公園が敷地を共用しており、災害時の避難場所となる防災公園の役割も担っている。園内には「つどいの広場」「いこいの広場」「遊びの広場」などがあり、子供から大人まで楽しめる公園だ。
※「遊びの広場」は浸水対策の下水道工事で閉鎖中です
正門から入ると、まず正面に大きなスズカケの木が目に入る。「つどいの広場」は、このスズカケの木を中心とする広い空間だ。ベンチで読書やおしゃべりを楽しむ人もいれば、芝居の稽古をする人もいる。早朝には、ここでラジオ体操が行われる。広場の奥には、幅30メートル、高さ3.2〜3.5メートルの大滝があり、夏の暑い時期は涼しい滝の音に癒されることだろう。
子供たちが楽しめる遊具が設置されているのが「遊びの広場」。個性的なデザインの遊具があるのが特徴で、とくにジャングルジムとすべり台が合体した遊具が子供たちに人気である。ゲートボールなどができるスペースもあり、年齢を問わず遊べる場所だ。ここでは、毎月第1および第3土・日曜日のいずれかにフリーマーケットも開催されている。
「いこいの広場」は芝生の丘が広がり、丘からは気軽に水遊びのできる流れと池がのぞめる。暖かい日には、家族連れなどが芝生でピクニックを楽しんでいる。春は花見、秋は紅葉をめでる多くの人たちでにぎわい、夏に子供たちが流れでの水遊びに興じる姿も見られる。鯉や亀が生息する池を見渡せるあずまやもあり、ここで静かに風景を楽しむのもいいだろう。