花びらの先が少し濃いピンク色をしており、写真に映える(撮影:2024年4月1日)
阿佐谷の住宅地にある、静かで落ち着いた雰囲気の猿田彦神社。例年3月末から4月上旬ごろまで枝垂れ桜が美しい花を咲かせ、参拝者を楽しませている。禰宜(※1)の井上さんは「通りがかりに桜に目を留めて立ち寄ってくださる方もいらっしゃいます」とほほ笑む。かれんな花を間近で観賞できるのはもちろん、趣がある建物を背景に映える写真を撮ることが可能だ。24時間いつでも参拝できるので、夜の桜見物もおすすめとのこと。また、枝垂れ桜を模した「しだれ桜みくじ」が社務所の前に置かれており、通年で引くことができる。
赤い鳥居の奥の社殿には、みちひらきの神として知られる猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)が祀(まつ)られている。1940(昭和15)年ごろから太道教(たいどうきょう)が神社を管理しており、境内の西側には、天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を祀る太道教本部の建物がある。権禰宜(※2)の堀井さんは、「瓊瓊杵尊の奥さんの木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が桜にゆかりのある神様なので、それにちなみ、2015(平成27)年ごろに枝垂れ桜を植えました」と話す。
桜だけでなく、アカマツとクロマツの交雑種であるアイグロマツの巨木も見応えがある。
※1 禰宜(ねぎ):宮司の下、祝(はふり)の上に位する神職
※2 権禰宜(ごんねぎ):禰宜の下位にあたる神職