平野優芽さん

「生まれ変わってもラグビーをやりたい!」

7人制ラグビー、女子セブンズ日本代表の平野優芽(ひらの ゆめ)さん。高校3年生で日本代表に選出され、「第30回ユニバーシアード夏季競技大会2019」では主将としてチームをけん引し、見事金メダルを獲得した。現在は代表チームの司令塔として活躍している。
2021(令和3)年5月、強化合宿の忙しい合間を縫って、リモートインタビューに笑顔で応じてくれた。

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平野優芽さん(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

平野優芽さん(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

ラグビーを始めた経緯

父も祖父もラグビーをやっていたので、小さい頃から試合を観戦しており、身近な競技でした。小学校1年生の時に、杉並少年ラグビースクールが開催する体験教室の案内を見て、軽い気持ちで応募しました。体験教室から帰ったその日に、自分から「ラグビー楽しい!やりたい!」とお願いしてスクールに通うことに。親はラグビーをやらせたいとは思っていなかったようで、びっくりしたと思いますが反対はしませんでした。もともと学校が終わると毎日近所の公園で男の子たちと走り回っていた活発な女の子だったので、ラグビーという競技にも躊躇(ちゅうちょ)なく踏み込めたし、親も応援してくれたのだと思います。

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杉並少年ラグビースクールSSRS(外部リンク)

杉並少年ラグビースクールの思い出

スクールは毎週日曜日に開催しており、子供たちの保護者がボランティアで指導やお世話をしてくれる、とてもアットホームな教室でした。男女や学年の区別なく全員を試合に出すという方針で、私も小学1年生から試合に出ていました。その頃はボールを持って走る、相手にぶつかる、それだけでしたが、週1回のスクールの日がとても楽しみでした。家でもボールを持って、よく父にぶつかりに行っていました。
卒業した先輩が、時々グラウンドに来て指導してくれるのもうれしかったです。先輩の中には、出場する試合がテレビ放送されるレベルの選手もいて、プレイする姿を画面で見ながら刺激を受けていました。
私もOGになってからは、オフの日には可能な限りスクールに顔を出して、子供たちと触れ合うようにしています。2019(令和元)年のラグビーワールドカップ日本大会の影響もあるのか、私が通っていた頃と比べて今は生徒の数が倍以上になり、ラグビーの人気の高さを体感しています。今後も、女の子の人数ももっと増えるように、ラグビーに憧れてもらえるように、私も頑張ります。

杉並少年ラグビースクール時代の平野さん(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

杉並少年ラグビースクール時代の平野さん(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

日々の努力と、これからの目標

ラグビーを始めた頃からずっと大好きで、「もっとうまくなりたい」という一心で練習してきたため、実を言うと努力してきたという意識はありません。私のこういうところは、チームメイトから気楽だなって思われているかもしれません。
日本代表として国際試合も経験してきましたが、体格が大きく動作も速い海外の選手に幾度となく敗れ、悔しい思いを何度もしてきました。その思いをバネに、チームメイトと切磋琢磨(せっさたくま)しています。
私の持ち味は、ボールを取りに来た相手を左右に翻弄(ほんろう)するステップです。この武器を生かす瞬発力の強化が当面の課題です。代表チームでは、競技の垣根を越えて元陸上選手をコーチとして招き、チーム全体のスピード強化に取り組んでいます。
これからの目標は、国際大会で結果を残し、世界のトップ選手に名を連ねること。日本人でもこんなにできるんだぞというプレイをして、子供たちの希望になりたいです。

「HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2019-2020」でニュージーランド相手に奮闘(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

「HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2019-2020」でニュージーランド相手に奮闘(写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会)

すぎなみビトMOVIE「女子セブンズ日本代表 平野優芽」のインタビュー動画より(写真提供:広報課)

すぎなみビトMOVIE「女子セブンズ日本代表 平野優芽」のインタビュー動画より(写真提供:広報課)

生まれ育った杉並区について

杉並の魅力は、子供が遊べる自然環境に恵まれているところだと思います。昔から、身近に緑豊かな公園があることをうれしく思っていました。以前、父と都立和田堀公園のそばにある武蔵野園で釣りをしたことがあるのですが、とても楽しかった良い思い出です。今もオフの日は自然を感じながら川沿いをランニングしてリフレッシュしています。
2019(令和元)年に私のことを広報すぎなみで紹介していただいたのですが、今回もこうして「すぎなみ学倶楽部」で取材をしていただき、杉並区にはとても感謝しています。

▼関連情報
広報すぎなみ(令和元年度)9月15日号 第2262号(外部リンク)
すぎなみビトMOVIE「女子セブンズ日本代表 平野優芽」(外部リンク)
すぎなみ学倶楽部 特集>公園に行こう>都立和田堀公園
武蔵野園公式サイト(外部リンク)

取材を終えて
試合では攻守の要として集中力と運動量が欠かせないポジションを担っている平野さん。取材時は、笑顔あふれる柔和な一面を垣間見ることができた。冷静な判断力と鋭いステップを武器に世界のトップ選手になることを願い、今後の活躍を心から応援したい。

平野優芽 プロフィール
2000年 東京都杉並区生まれ
2006年 杉並少年ラグビースクールに加入
2013年 女子セブンズのチーム「Rugirl-7」(ラガールセブン)に加入
2017年 女子セブンズ日本代表チームに選出
2018年 「第18回アジア競技大会」で金メダル獲得
2019年 「第30回ユニバーシアード夏季競技大会2019」で主将として金メダル獲得

<追記>
平野さんはTOKYO2020ラグビー女子日本代表に選出されました。
-2021年7月2日 加筆-

緑豊かな都立和田堀公園と、釣り堀「武蔵野園」

緑豊かな都立和田堀公園と、釣り堀「武蔵野園」

リモートインタビュー中、笑顔で受け答えをしてくれた平野さん

リモートインタビュー中、笑顔で受け答えをしてくれた平野さん

DATA

  • 取材:西荻じゅん
  • 撮影:TFF
    写真提供:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会、広報課
    取材日:2021年05月05日
  • 掲載日:2021年06月14日
  • 情報更新日:2021年07月02日