杉並区のような都会では大きなグランドも少なく、フットサルの手頃なイメージから年々区内でもプレイヤー、そしてプレイできる環境が増えてきた。
道具も少なくボールと靴、ウェアはTシャツ、靴も底がフラットであればなんでもいい。サッカーグラウンドよりも狭いので楽かと思いきや、ゲーム中、常にボールにからむ動きが要求され、想像以上に運動量も多い。ボールの動きも速く、一瞬で攻守が入れ替わったりゲーム展開が早く、一瞬の判断力や、パスの正確性などが要求され、意外に頭を使うスポーツだ。怪我をしないよう十分な準備体操のうえ、自分のペースで楽しむことが一番。
チームを構成する5人のメンバー集めも簡単そうに見えて意外にむずかしい。仕事仲間、同窓生などでチーム結成をするケースが多いが、フットサルでは、そんな仲間作り、チームづくりも楽しみの一つになるだろう。
「杉並区フットサルリーグ」は、フットサルを通した“仲間づくり”がモットーです。
杉並のフットサル事情について杉並区フットサルリーグ事務局に話をうかがった。
「平成17年度と比較すると、平成20年度のフットサル利用者は1.4倍以上に増加しています。また、杉並区の体育館でフットサルができる荻窪体育館、高円寺体育館における種目別使用数も、最も多くなっています。 運動場の確保が困難である杉並区では、場所を選ばずに、少人数でプレーできるフットサルが適しているようです。」という。
2012年は12のチームがリーグに参加し熱い戦いを繰り広げている
(毎年リーグへの参加は3月に締切済み/5月中旬からリーグ戦開始)。また個人でも気軽に体験し、仲間をみつけたり、試合を楽しんでもらえるような体験会、プレイヤーのスキルアップを目的とした強化合宿も行っている。メンバーが足りない、練習場がないなど、色々なフットサルについての疑問・質問も受け付けている。
リーグに所属せずに気軽に練習したり楽しみたい方は、フットサルをプレイできる施設を利用して楽しむことも可能。必ず事前確認のうえ必要に応じ予約し利用しましょう。
上井草スポーツセンター(ゲートボール場・小運動場 1,056平方メートル/2面)
スポーツセンターの最上階にある空中コート。
見晴らしのよさは抜群、天気が良ければ富士山やスカイツリーが遠くに見えることも。屋外人工芝のため、天候、特に夏の暑さには気をつけたい。
住所/電話:杉並区上井草3-34ー1/03-3390-5707
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
▼上井草スポーツセンターHPへ
荻窪体育館(全面:778.50平方メートル)
JR・地下鉄丸ノ内線「荻窪駅」から徒歩7分の好立地。中央図書館や読書の森公園は目の前なので行き帰りにちょっと寄り道も楽しめる。
住所/電話:杉並区荻窪3-47-2/03-3220-3381
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
▼荻窪体育館ブログへ
高円寺体育館(全面:697.86平方メートル)
地下鉄丸ノ内線「東高円寺駅」から徒歩5分。
「ふれあいフットサル」、「個人フットサルナイト」など講習やイベントを多数実施している。日程を確認して自分にあったものに、まずは参加してみよう。
住所/電話:高円寺南2-36-31/03-3312-0313
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
▼高円寺体育館ブログへ
下高井戸運動場(屋外運動場16,623.84平方メートルの一部使用)
京王線「桜上水駅」から徒歩8分、または京王井の頭線「西永福駅」から徒歩10分。
駐車場、駐輪場があり至便、当日集まったメンバーでゲームを行うフットサルナイトやゴールキーパースクールなどが開催されている。
住所/電話:杉並区下高井戸3-26-1/03ー5374ー6191
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
▼下高井戸運動場ブログへ
井草の森運動場(7,631平方メートルの一部使用)
西武新宿線「井荻駅」から徒歩8分、またはJR・地下鉄丸ノ内線「荻窪駅」北口から西武・関東バス(荻11)石神井公園行きに乗り、「井草森公園」下車徒歩5分
毎週水曜日の午後1時~5時は一般開放日で、誰でも無料で利用できる。
(雨の日や、芝生の養生時は使用できないこともあるので、施設に事前確認を取る必要がある)
住所/電話:杉並区井草4-12-1/03-5310-4515
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
妙正寺体育館(全面:672平方メートル)
中学生以下のみフットサルでの利用が可能。
西武新宿線「井荻駅」から徒歩10分、またはJR・地下鉄丸ノ内線「荻窪駅」北口から関東バス「下井草駅(荻10)」行きに乗り、「妙正寺池」下車徒歩2分。
住所/電話:清水3-20-12/03-3399-4224
▼くわしくは杉並区役所の施設紹介へ
※区立施設の予約はさざんかネットへ
※さざんかネットをご存じない方はこちらへ
南阿佐ヶ谷駅 徒歩1分に 民間のフットサルコートも
地下鉄丸の内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩1分、ビルの5Fと屋上に、フットサルコートがあるのにお気づきだろうか。屋上に張り巡らされた緑色のネットと、ビルの横に設置された「FUTSAL PLUS」の看板が目印だ。
青梅街道にも面しているためバス停からも近く、区内はもちろん、区外からも集合しやすい立地とあってか、多くのフットサルファンが、おしかけている。
“個サル”女性、大会出場も
ちょっと体を動かしたくなったときに一人で気軽に参加できる「個人参加フットサル(略して個サル)」。通称・個サルの楽しみは、初心者から上級者と、様々なレベルの参加者とプレイできることだ。上手い人の技を真似したり、練習方法を教わったりすることもできる。逆に上手い人は初心者に教えることで自身の確認にもなる。スポーツで知り合った仲間は、将来かけがえのない友人になることもあるかもしれない。
女性のためにコーチが丁寧にパスやドリブルなどのフットサルのテクニックを教えてくれる「レディースフットサルクリニック」や、親子でボールを蹴りたいという方には「親子フットサル」、ガッツリと本格的にやりたい方には男性だけの個人参加もある。
個人参加であれば、1回千円から2千円の間で、気軽に参加できる。
またチームで大会に出場したいという方にも30歳以上限定の「オーバー30」や、女性限定の「レディース大会」、仕事や学校帰りでも参加できる「ナイトマッチ」など、様々な大会プログラムがある。
ほかにも、12歳までの年齢別クラススクールも人気。
老若男女、初心者から上級者まで誰もが楽しめるフットサル場とちょっとした社交の場だ。
店長が語る「コミュニティ」としての魅力
阿佐ヶ谷フットサルプラスの店長の森口さんに話をうかがった。
「最近はフットサルの人気も高まってきました。道具が必要ない、人数が5人いればできる、比較的リーズナブルといった参加のしやすさがあります。毎週のようにあちこちで大会が行われていますね。」
激しいぶつかり合いやスライディングタックルなどを禁止している大会も多く、女性や初心者でも安心して参加できるものが多い。
「オープン当初から来てくださっているお客様も多くいます。そういう常連さんとは今後とも長くお付き合いしていきたいと思っているし、大学の新入学の時期などでは新たな人たちとの出会いも楽しみにしています。フットサルがやりたくなったらいつでも待っていてくれる、みんなが集う場、みんなの交流の場、そういう場所であり続けたいと考えています。」
また、スクールでは子供の考える力の育成に取り組んでいるそうだ。
「子供がチャレンジをしやすい環境を心がけ、心からフットサルを楽しんでほしいと考えています。 やらせるのではなく、子どもが自らやる気になり、自分で考え判断し、自発的に成長していけるよう心がけています。技の習得だけではなく、考える力を身につけ、それを実生活の中にも役立ててもらいたいという思いがあります。」
心身共にたくましく成長していけるような環境づくりに心がけているそうだ。
周囲をネットで囲んでいるため、ボールが競技場の外に出て行かず、安全にプレイできる。コート脇には観戦席があり、応援しながら食事もできる。トイレ、ロッカールーム、シャワールームも完備している。
屋上のフットサルコートの広さは27m×16m、屋内のフットサルコートの広さは26m×16m。
住所/電話:杉並区成田東4-39-8 芝萬ビル 3317-1616
意外な目的に活用されるフットサル
会社帰りに居酒屋でちょっと一杯ならぬ、ちょっとひと蹴り、という利用のされ方も増えてきた。合コン代わりにミックスフットサルという利用のされ方もあるという。健康的で、すぐに打ち解けることができ、一戦交えた後に近くの居酒屋で一杯ともなれば、お互いの距離もぐっと近くなるだろう。
また、海や山やプールに行くのと同じようなレジャー感覚でフットサルを楽しむ人が増えてきている。
体力の低下が低年齢層に懸念される今、仲間づくり、体力づくりと魅力満載のフットサル、サッカーのような大舞台ではないけれど、私たち都会暮らしにもちょうどいいスポーツとして定着していくのかもしれない。