親戚の家、もしくは地方の旅館へでも来たような、昭和的たたずまいの和風住宅。半世紀以上前に建てられた木造の家を、一部改築してギャラリー化したのがこのスペース。
陶芸作家で、粘土を使ってオブジェなどを中心に制作する店主の石神照美さんは現在札幌在住。阿佐谷と行き来してギャラリーを運営している。石神さんと、スタッフで同じく陶芸作家の駒ヶ嶺三彩さんの企画展開催時以外は、アーティストにスペースを貸している。「店名のCONTEXTは“空間”という意味で使っています。それに続く“S”が頭文字のseason、school、schemeなどに結び付く、さまざまな催しにスペースをお貸ししています。この空間が生かされ、ここを使うことでさらに表現したいものがきらめくようにと思っています」と石神さん。
作品展示のほか、アコーディオンライブなど、CONTEXT-Sで開催されたイベントは多彩だ。石神さんの義母が植えたという四季折々の植物もギャラリーの風情を引き立てており、アーティストも、訪れた客も、ゆっくりと流れる時間を楽しめる。