そろそろ紅葉の始まる11月になると、毎年恒例の荻窪音楽祭が開かれる。開催期間中は荻窪の街のあちこちに30近くの演奏会場が設置され、好きな会場を選んで音楽を楽しむことが可能。駅前や保健所のロビーなど気軽に足を止められる会場がある一方、杉並公会堂や荻窪教会など本格的な会場や、レストランやカフェなどでも演奏会が行われる。これらの催しは自主企画と主催者企画(「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」の会)のものがあり、入場料も有料・無料がある。
2000年から毎年春秋2回開催されてきた音楽祭だが、2012年の第25回から秋だけの開催となった。
クラシック音楽というと少し堅苦しい印象もあるが、「あっ、この曲、どこかで聞いたことがある!」というような親しみやすい曲も多く演奏されている。この機会にクラシック音楽に触れてみてはいかがだろう。
阿佐谷にはジャズストリート、高円寺には東京高円寺阿波おどりという知名度の高いイベントがある。「さて荻窪には何があるか?」と考えた時に、落ち着いた街の土壌に合うということで、「21世紀の荻窪を考える会」が中心になってクラシック音楽を選択した。荻窪は、日本フィルハーモニー交響楽団(以下、日フィル)の本拠地でもある杉並公会堂が建つほか、音楽評論家の大田黒元雄、「汽車ポッポ」や「夕焼け小焼け」などの童謡の作曲家草川信など、音楽分野の著名人と縁がある。このような点からも、クラシックが似合う街と言えそうだ。
音楽祭の開催日は約2年前に決まり、特別な企画の準備は1年半くらい前から行われる。参加希望者の公募は5月下旬から6月下旬の期間。毎年多くの申し込みが寄せられる。実際に参加決定となる数は、会企画・自主企画合わせて約120組600名程度にのぼるという。これだけ大勢の人たちがいつどこで演奏するのかを案内するため、わかりやすく手の込んだガイドブックを作成。イベント約1ヶ月前から大きな会場や施設などで配布される。
開催期間:2024年11月7日(木)~10日(日)
場所:杉並公会堂ほか