青梅街道沿い、バス停荻窪警察署前の南側にある荻窪八幡神社(おぎくぼはちまんじんじゃ)。西荻窪駅が最寄り駅だが、荻窪駅北口からだとバスの本数も多く5分ほどで着く。
境内は約2,600坪と、区内では大宮八幡宮、井草八幡宮に次ぐ大きさで、青梅街道そばとは思えないほどの静寂が広がる。「静かな空間で安らいでいただけるよう、毎朝掃除してきれいにしています。」と宮司は語る。コロナ禍以前は、東側の鳥居正面にある杉並アニメーションミュージアムを訪れる外国の方が、おみくじをひいていく姿が見られた。
創祀(※1)は889~898年と伝わる。その後、源頼義が奥羽東征の折り、戦勝を祈願。1062年に凱旋(がいせん)した際に、社を修めて盛大な祭を行い、武将を配し祀(まつ)らせたという。また1477年には、太田道灌が石神井城を攻略する際に1本の槙の木を植えた。この「道灌槙」は今も社殿の前に高々とそびえている。
旧上荻窪村の鎮守であった当社には貴重な品々があり、一部は期間限定で公開している。社宝の勝海舟直筆の一対の大幟(おおのぼり)は、長さ9メートル、幅90センチ。3年に1度、例大祭の日に回廊内に展示される。また、杉並区有形文化財の「延宝七年銘 石造狛犬(えんぽうしちねんめい いしづくりこまいぬ)」(一対)は、通常本殿内に置かれているが、毎年例大祭の2日間だけ本殿から出して公開されている。ユーモラスな顔立ちをした全長26センチの像で、御帳台(※2)の覆いの重しとして用いられていたものだという。また、境内を歩けば、「台座に菊の紋が入っている狛犬」、「四面道の名前の由来となった灯篭」など、見どころがたっぷりある。
(※1)創祀(そうし): その場所で神様を最初に祀(まつ)ること。神社の始まり
(※2)御帳台(みちょうだい):ご神体を安置する台、錦の布が覆いとして掛けられている
神門は大晦日の17時に閉門、元旦0時に開門される。
三が日の特別行事はなし。
1月14日(日)午前9時~午前11時、古いお神札などを焚きあげる「お焚き上げ」が行われる。※お焚き上げは毎年第二日曜に実施