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堀ノ内熊野神社

震災を潜り抜けた「火伏(ひぶせ)の神輿」がある神社

方南町駅から北へ徒歩約15分。堀ノ内熊野神社(ほりのうちくまのじんじゃ)は善福寺川を渡った先にある。
創建は1267年。紀州(現在の和歌山県)の熊野三山を勧請(※1)したことに始まり、室町時代に北条氏綱(うじつな)が江戸を攻略した際に社殿を改築、1634年にさらに修繕を加えたと伝わる。平成になり本殿が火災により焼失したが、1992(平成4)年に復興し、現在に至る(※2)。
当社は旧堀之内村の鎮守にあたり、1857年建造の銘が刻まれた総ケヤキ造りの社殿には精巧で豪華な彫刻が施され、拝殿正面にも龍や獅子の彫刻が見られる。
社殿に向かって右手奥にガラス張りの神輿庫があり、1923(大正12)年の関東大震災の当日に浅草で買い、猛火の中を無事神社に運ばれたという「火伏の神輿」が収められている。社殿、神輿庫は石積みの高台の上に建っているが、右手にスロープがあるので階段の昇降が不自由な方でも参拝しやすい。
「文化5(1808)年」(江戸幕府、将軍は11代徳川家斉)の銘のある石造りの一の鳥居は、区内最古のもの。また本殿のそばにある1801年作の狛犬一対は杉並区登録有形文化財。阿形(※3)の狛犬は残念ながら鼻先が割れている。古い建造物に興味のある人は、参拝がてら歴史に触れてみてはいかがだろうか。

※1 勧請(かんじょう):分霊を他の神社に移して祀(まつ)ること
※2 現在、本殿は鉄筋コンクリート防火扉付鞘(さや)殿に納められている
※3 阿形(あぎょう):狛犬は一般的に拝殿に向かって右側が口を開けた阿形、左側が口を閉じた吽形(うんぎょう)であることが多い

石段を登った上にある社殿

石段を登った上にある社殿

火伏の神輿は2013(平成25)年に修復されたばかり

火伏の神輿は2013(平成25)年に修復されたばかり

御祭神
大屋津姫命(おおやつひめのみこと)
五十猛神(いそたけるのかみ)
抓津姫命(つまづひめのみこと)

主な行事 ※日付は毎年固定
1月5日 大六天
2月初午 初午祭
2月17日 祈年祭
5月5日 大六天
9月5日 大六天
9月   例大祭(敬老の日の前の土日)
11月24日 新嘗祭(にいなめさい)

時代を感じさせる、約200年前の狛犬

時代を感じさせる、約200年前の狛犬

神社入口にある区内最古の鳥居。裏に「文化5年」と彫られている

神社入口にある区内最古の鳥居。裏に「文化5年」と彫られている

2024年秋の例大祭

9月14日(土)、15日(日)
14日 14時 里神楽の舞
   14時~17時 こども祭り
   17時 里神楽の舞
15日 10時半 山車、子供神輿出発(集合場所:妙法寺)
   11時 大人神輿出発
   11時半 山車、子供神輿宮入り
   16時20分 大人神輿宮入り

お正月の催し物(2023年12月-2024年1月版)

元旦0時から1時30分頃まで、参拝者に御神酒がふるまわれる。8時から16時まで拝殿の御扉を開ける。10時から歳旦祭が執り行われる。

DATA

  • 住所:杉並区堀ノ内2-6-6
  • 電話:03-3311-0105(大宮八幡宮)
  • 最寄駅: 方南町(東京メトロ丸ノ内線) 
  • 取材:千田F子
  • 撮影:千田F子
  • 掲載日:2016年01月25日
  • 情報更新日:2024年09月04日