西荻窪駅南口から徒歩3分という便利な場所でありながら大変閑静な住宅地に、和洋折衷の一軒家がある。昭和初期に建てられたそうだが、当時はかなりハイカラに見えたのではないだろうか。
門をくぐると2つの玄関がある。これは事務所にも使用することを想定して造られたためで、向かって右側のドアが貸しギャラリーGallery MADO(ギャラリー マド)の入口だ。家の一角に設けられており、木の床としゃれた大窓、作り付けの棚などがある落ち着いた造りになっている。
ギャラリー名の由来でもある大きな窓や、入口扉のガラスは建設当初のものを維持しており、古いガラスならではの柔らかい光がギャラリー内を照らす。このレトロなロケーションは、絵画はもちろんのこと、陶芸や小物類、手作り雑貨などの温かみのある作品がよく映え、何度も利用する主催者も多い。
建物は雑誌の撮影にも良く使われており、映画の舞台になったこともある。また、建物の外観自体が、漫画『西荻夫婦』(※)に主人公が住んでいる場所として登場。このモダンな建物がいかに魅力的かがわかるだろう。大事に大事に、できるだけ手を入れないように維持されているからこそ失われずに済んでいる、後世に残したい魅力的なギャラリーである。
※西荻夫婦:西荻窪を舞台に、若い夫婦の日常生活を描いた漫画。やまだないと作。祥伝社より出版。