高品質なオーディオ装置とLPレコードによる柔らかく美しいクラシックの調べを堪能しながら、ゆったりとアート作品の鑑賞ができるギャラリー。それが名曲喫茶ミニヨンだ。
創業者である深澤千代子さんが1961(昭和36)年3月に自宅のある荻窪北口で店を始め、1971(昭和46)年に荻窪駅南口徒歩3分の現在の場所に移転した。店名の「ミニヨン」は、作曲家アンブロワーズ・トマのオペラの主人公ミニヨンと、創業当初は小さい店だったのでミニ(小さい)をかけて付けたものである。現在、深澤さんは引退したが、今も創業から変わらぬ精神で、クラシック喫茶・コンサートサロン・ギャラリー(作品展・勉強会など)の三本柱をプロ・アマ問わず提供し続けている。
喫茶室のカウンターにはレコードがぎっしり詰まった棚があり、その裏側の広い別室がギャラリーだ。かつてオーディオやレコードが高価であったころ、音楽鑑賞に来る客の「鑑賞室」だった部屋を、時代に合わせて生まれ変わらせた。当然ながら音響に優れた木材が使われており、喫茶から流れてくるクラシック音楽を楽しみながら作品を鑑賞できる。また作家の希望があれば、ギャラリーにコーヒーなどのメニューを届けてもらうことも可能だ。過去には展覧会とコンサートをコラボしたイベントが行われたこともある。美しいクラシックの調べを聴きながら優雅な気分で作品鑑賞してみてはいかが。