方南町駅西口から徒歩7分ほど。ミドリ薬局の隣りに、ギャラリーウィンドースペースがある。 2001(平成13)年5月に、当時の薬局のオーナーである入野紀久子(きくこ)さんが薬局と自宅を改築したときにオープン。「風の空間」という意味の店名は、「風のように自然な感じでアートに親しんでほしい。」という気持ちからつけられた。建物自体も風がよく通る設計である。
自身も杉並アマ美連盟に所属し、油絵を描く入野さん。「薬局の仕事のため気軽に作品展に行けなかったので、ならば皆様にこの場所で作品を発表してもらおう。」と思い、ギャラリーを併設したそうだ。薬局は常に店の中で仕事をしているので、隣接したギャラリーの管理もしやすい。入野さんにとって夢が叶ったギャラリーである。また入野さんは作品制作時の熱中する気持ちや、展示のときの搬入搬出時の高揚感が大好きだと語る。「この思いを皆様にも味わってもらいたい。作品を見て楽しんで、美術にチャレンジするきっかけになってほしい。」そのため、ギャラリーには近所の方や知り合いなどの作品も多く並ぶ。薬局の客が描いた善福寺川の連作の展覧会は、新聞に掲載されて話題になった。
現在ミドリ薬局はご子息が継いでいる。入野さんは今後、生活や趣味のほかにギャラリーにも一層身を入れたいと考えており、貸し教室やワークショップなどに力を入れていくと言う。 家族の理解と協力と、入野さんの美術への情熱で作られた「ウィンドースペース」は、薬局と共に、街に寄り添うギャラリーとして親しまれている。