杉並区立与謝野公園

地元の熱意で、与謝野夫妻の住まいの雰囲気を再現

荻窪駅南口から徒歩約12分、杉並区立与謝野公園は歌人与謝野晶子・寛(鉄幹)夫妻が晩年を過ごした住居跡地にある。晶子が63歳で生涯を終えた後、1982(昭和57)年から30年間は「南荻窪中央公園」として親しまれてきた。2006(平成18)年ごろ「公園に“与謝野”の名を冠して町おこしを」との声が地元からあがり、これを受けて杉並区が公園の拡張と再整備に着手。晶子没後70年の節目となる2012(平成24)年4月28日、名称を改め「与謝野公園」として開園した。
晶子自身が設計した住居は残っていないが、門柱を設け、玄関へ続く通路をまねて、庭木の間を抜けてかつての与謝野邸を訪ねる風情を感じとれる設計がなされている。門柱脇の花壇には、花咲かせ隊の協力で四季折々の花が彩りを添える。園内にはケヤキの大木やヤマモモ、住居のあった当時と同じく藤棚などが配されている。

当時の住まいを彷彿とさせる門柱

当時の住まいを彷彿とさせる門柱

住居跡へとつながる通路

住居跡へとつながる通路

与謝野ファン必見の歌碑と植栽

最大の特徴は、庭園に調和した切り株風の歌碑14基。歌人の松平盟子さんらに選定された、人生・恋・家族にまつわる夫妻の名歌が1首ずつ刻まれている。門柱を挟むように位置する2枚の案内板「与謝野寛(鉄幹)晶子旧居跡」は、夫妻が荻窪に居を構えた経緯や晩年の生活模様を記載。実際の住居(「采花荘」「遙青書屋」「冬柏亭」)の平面図もあり、往時に思いを馳(は)せる楽しさが味わえる。また夫妻が好んで植樹したツツジや、晶子が多く歌に詠んだツバキなども点在。いわれある植栽と歌碑とがバランス良く配され、記念館を鑑賞しているかのごとく園内散策を堪能できる。
公園そばの川南共栄会では「与謝野晶子・鉄幹 ゆかりの地商店街」マップも用意して来街者を迎えている。

自然と共にバランス良く配された歌碑

自然と共にバランス良く配された歌碑

利用者便利情報(取材時現在)

広さ:1,396.15㎡
駐車場:なし
駐輪場:あり
水遊び場:なし
ボール遊び場:なし
犬連れ:不可
トイレ:あり
バリアフリートイレ:あり
売店:なし
飲料自販機:なし
管理事務所:なし
防災設備:防火水槽、防災井戸

DATA