ポタリー(※1)体験、カフェ、ギャラリーという3つの顔を持つ空間、それが高円寺にあるぽたかふぇ。だ。「もともとは荻窪でポタリー教室を開いていたんです。」と店長の美樹さん。ある時、親しくしていたアーティストのMAROさんという女性から、「アメリカにはお酒を飲みながら絵付けができるポタリーバーという場所がある。」という話を聞く。MAROさんはその後ほどなくして急逝したが、カフェにも興味があった美樹さんの心にその言葉は深く残り、2012(平成24)年4月この店をオープンした。
ポタリー体験を目的に来る人、カフェでくつろぐ人、ギャラリーを楽しみに来る人…、店の楽しみ方は多彩だ(※2)。ギャラリーは若いクリエイターの利用が多く、カジュアルな展示が中心。ここで初個展を行う作家も大勢いる。
ユニークなのはギャラリーの展示ごとにカフェに登場する“コラボメニュー”。作家の表現を料理でも楽しめると好評なメニューは、作家とスタッフによる綿密なコミュニケーションがあってこそ実現する。遠方の作家とはスカイプで会話して仕上げたというエピソードもある。
「お客さまにとってワクワクするおもちゃ箱のような場所でありたい」という美樹さんの言葉通り、訪れるたびに五感で新たな発見ができる。今日はどんな楽しみが待っているだろう、そんなドキドキ感を胸に足を運びたい店だ。
※1 ポタリー:正式名称はポタリーペインティング。陶器を作る工程の1つで、陶器専用の絵の具で下絵付けすること
※2 ポタリー体験は予約制。ポタリー体験、ギャラリー鑑賞のみの場合も飲食1メニューのオーダーが必要