高円寺びっくり大道芸は、2009(平成21)年5月2・3日の両日、座・高円寺の開館に合わせて第1回目が開催されて以来、現在では4月の最終土曜日と続く日曜日に行われている。会場はJR高円寺駅から東京メトロ新高円寺駅にかけての商店街や公園、駅前広場などで、国内外から選りすぐりのパフォーマーによる、空中ブランコやジャグリング、マジックに、中国雑技、舞踏などが繰り広げられる。2016(平成28)年は2日間で40組を超えるパフォーマーが登場し、例年通りの晴天に恵まれて20万人の観客が沸いた。
このイベントの特色は、高円寺四大祭り(※1)が全部そうであるように、街全体が会場であること。「高円寺びっくり大道芸」の場合はあちこちの路地で大道芸が行われているので、散歩気分で街を巡りながら楽しめる。またパフォーマーと観客との距離がとても近く、間近で迫力のある演技を見ることができるのも魅力だ。ウォーキングアクトという、ユニークな姿で街中を歩いて観客を驚かせるパフォーマンスもあり、遭遇すればお祭り気分が盛り上がることだろう。
イベントにボランティアスタッフとして参加することも可能だ。スタッフ体験者からは、「成し遂げる達成感や協力した一体感が得られて、高円寺がますます好きになった」という感想が聞かれた。
観て、参加して、高円寺という街を楽しんでみてはいかがだろうか。
※1 高円寺四大祭り:「高円寺びっくり大道芸」「東京高円寺阿波おどり」「高円寺フェス」「高円寺演芸まつり」
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Q:開催の経緯は?
A:2009(平成21)年5月の座・高円寺という素晴らしい劇場の完成を間近に控え、街と座・高円寺が共存共栄していくため、知恵を出し合おうと、街の人々を中心に立ち上げた座・高円寺地域協議会で話し合いました。当時、すでに高円寺あづま通り商店会では「街が劇場になる」という謳(うた)い文句で「あづま通り大道芸」を開催していたので、5月2日に「劇場」である座・高円寺のこけら落としに合わせて大道芸を開催することにしたのです。そのとき限りのお祝いのつもりでしたが、大成功を収め1回で終わらせるのはもったいないという声が上がりました。以降、毎年続けています。
Q:大道芸が始まった理由は?
A:「高円寺びっくり大道芸」の前身である「あづま通り大道芸」は、夏の「東京高円寺阿波おどり」と同じ時期に開催してました。阿波おどりの観客に高円寺あづま通り商店会にも来てもらおうと考えたのです。集客のため、東京大学ジャグリングサークル「マラバリスタ」に声をかけ、他にも3つくらいの団体に来てもらったのが始まりです。運営費用の予算が厳しかったのですが、大道芸は観客からの投げ銭を期待できます。けれど、実力がなければ客は足をとめません。幸い高円寺は長年「阿波おどり」を続けており、芸や祭りを楽しむ素地がありました。実力次第で投げ銭が稼げ、演じる舞台があり、観客もいるということで、口コミで出演者も増えていきました。
Q:パフォーマーの決め方は?
A:総合プロデューサーの橋本隆雄さん(※2)にお任せしてます。国内外の40組を超えるプロのパフォーマーが出演し、毎年その3分の1は新しい顔ぶれです。「あづま通り大道芸」の時から出演してもらっているパフォーマーもいますね。また、2016(平成28)年の「驀進(ばくしん)」、2017(平成29)年の「喧躁(けんそう)」というようなテーマは、私の方で決めています。
Q:今後の取り組みをお聞かせください。
A:現在、多くの地域で同じような大道芸イベントが開催されており、このままでは「高円寺びっくり大道芸」も独自性がなくなります。そこで、2017(平成29)年に新しい試みとして、高南通りの一部を利用した自転車に関わる観客参加型イベントを始めることにしました。自転車は高円寺のような路地が多い街に適した交通手段なので、マナーなどを学ぶ機会にもなるのではないでしょうか。次回以降も続けていければと考えてます。
※2 橋本隆雄さん:日本全国で大道芸フェスティバルを仕掛けるキーパーソン。「高円寺びっくり大道芸」は第1回から総合プロデューサーを担っている
開催期間:2024年4月27日(土)、28日(日)
場所:高円寺の11商店街、JR高円寺北駅前広場、高南通り、高円寺北公園、高円寺中央公園