「作家の卵を応援したい」。それがオーナーの富永さんの思いだ。Gallery たまごの工房は、趣味ではなく、自分を本気で表現したい人のためのギャラリー。元は倉庫だった場所を借り、ギャラリーを開いたのは1997(平成9)年2月。以来、長きにわたり多くの展示会を開催し続けている。
年間の展示スケジュールは、作家の個展やグループ展、ギャラリーが主催する企画展で埋まる。企画展は虫・酒・怪獣など、富永さんいわく、「ちょっと変わった主題のものが多い」。その中でも人気企画は、カエルがテーマの「かえるてん」。また、酒をテーマにした展示では、酒蔵と提携して、ギャラリー内で試飲会を行うユニークな仕掛けも試みている。
こぢんまりとしているが、入ってみなければ何があるか分らない楽しみに満ちた空間だ。出展を希望する作家には、「穴ぐら的なスぺースですが、その分、自分の表現の場として好きに使ってほしい」と言う。「たまごのねいさん」と親しみを込めて作家たちから呼ばれる富永さん。その視線は、意欲ある作家に、常に温かく注がれている。