神田川沿い、神田橋近くの旧東京電力総合グラウンド跡地に、防災設備を備え近隣住民の避難場所となる杉並区立下高井戸おおぞら公園が、2017(平成29)年に開園した。園内には小高く盛り上がった「憩いのはらっぱ」が広がっており、災害時にはヘリポートとして利用される。また、かまどの役目を果たす「かまどベンチ」のほか、園の北側には簡易トイレとして使えるマンホールトイレも災害時用に設置されている。
園の南側には、ガラス張り2階建ての管理棟が立つ。1階は管理事務所と備蓄倉庫で、非常用品などが備蓄されている。2階は休憩室になっており、窓から広い公園を一望できる。室内は木を生かした落ち着いた造りで、テーブル席や幼児が靴を脱いで遊べるマットスペースもある。広々としてとても居心地の良い空間だ。多目的トイレやエレベーターもあり、ベビーカーや車いすの方も利用できる。
平日の公園は、午前中から午後3時頃までは幼児連れの母親たち、それ以降は学校から帰宅した児童が集い、格好の遊び場となっている。公園管理者は、「遊具の中で一番人気は “葉”の形をした水景プール」と話す。深さが十数センチなので、乳幼児でも水遊びができるそうだ。一年中、午前10時から午後4時まで利用可能で、浄化装置などで水質管理されているので安心だ。 また、ロープやネットを張った大型遊具は、ネットで跳ねたり、上からジャンプしたり、小学生に人気でとても楽しそうに遊んでいるそうだ。 青く塗られた地面部分はクッションになっており、色の濃淡で硬さが異なる。フワフワの歩き心地は、大人にも楽しい。傍らには健康増進エリアがあり、器具の数は少ないが大人の健康維持に役立ちそうだ。
週末には、簡易テントを持った家族連れが「憩いのはらっぱ」でピクニックをしている姿も多い。スポーツ好きなら、神田川沿いからジョギングで周回し、健康器具を使って筋力アップ、疲れたら管理棟で休憩をとるという利用法もおすすめだ。