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区立馬橋公園の「なみすけ」と「ナミー」の絵柄(撮影:2023年4月3日)
公園や小学校などの出入り口で、道路にカラフルな動物マークを見かけることがある。周りの風景に溶け込んでいるこの動物たちは、児童の飛び出し事故防止策として設置されているものだ。このマークを管理する杉並区都市整備部杉並土木事務所によると、昭和50年代の終わり頃にはすでに存在していたという。『平成3年4月道路工事標準構造図』には14種類の動物の絵柄が記載されていたが、1996(平成8)年にはパンダ、ライオン(正面、横)、イルカ、ワニだけの記載となり、以降その5種類を標準として使用している。
現在一番多く見かける緑のワニ。「とまれ」の文字は、依頼元の要望や設置可能幅との兼ね合いで添えられていないものもある
マークは正式名称を「路面ステッカー(動物マーク)」といい、施工には規制品のステッカーを用いる。設置は公共施設前の路面や区道が対象。依頼を受けたら現場道路で設置可能な広さを確認の上、依頼元と絵柄を決める。最近は保育園の増加に伴い依頼件数も増えているそうだ。劣化したステッカーの貼り替えは適宜行っているが、道路補修工事と共に撤去されてしまうこともある。標準の5種類から外れた動物は残る箇所も少なく、かなり貴重な存在だ。また、貼り方により表情が異なるパンダや、色違いの青いワニもごく少数だが存在する。
1991(平成3)年に標準として使用されていた14種類。 『平成3年4月道路工事標準構造図』より(資料提供:杉並区都市整備部杉並土木事務所)
2018(平成30)年には、区の公式アニメキャラクター「なみすけ」と「ナミー」を使用した杉並区オリジナルの絵柄が誕生した。杉並土木事務所では「まだ実験的な設置だが、児童になじみ深いキャラクターで、より目につき止まってくれるだろう」とその効果に期待を込める。今後、「なみすけ」「ナミー」の単体使用や、「とまれ」以外の道路用路面ステッカーへの絵柄活用などさまざまな展開を検討中だ。
区立四宮小学校の校門前に、実験的に設置された「なみすけ」と「ナミー」の絵柄(写真提供:杉並区都市整備部杉並土木事務所)
保育園、児童館、幼稚園、小学校、公園、児童遊園、図書館、河川側道、旧水路など
区立善福寺北児童館前に残る、貴重なサルの絵柄