2019(令和元)年度に創立90周年を迎えた専修大学附属高等学校。専修大学への内部進学率は毎年80%以上で、他大学への進学者を含めると約95%の生徒が大学に進学する。2016(平成28)年には旧区立新泉小学校を利用して「新泉校舎」を新設、他大受験クラスの教室や自習室などが設けられた。
大学付属の強みを生かしたカリキュラムも充実。高大連携プログラムの一つ「法廷模擬裁判」は、専修大学の法廷教室で法曹界の先生方の指導を受けて模擬刑事裁判を行う、伝統ある授業だ。弁護士役で参加した生徒会副会長の寄田さんは、「事前の準備と、頭をフル回転させて答弁することが大変でしたが、弁護士の仕事は本当に素晴らしいと実感しました」と目を輝かす。
部活動では、毎年チアリーディング部が「JAPAN CUP 日本選手権大会」の上位に進出している。近隣の区立杉並和泉学園で行われる「ふるさと和泉 みんなの夏祭り」にも毎年出演しており、パワフルなパフォーマンスが地域の人々に好評だ。また、放送部は、2019(令和元)年に制作した作品が、「第66回NHK杯全国高校放送コンテスト創作テレビドラマ部門」全国大会出場を果たした。付属高校の強みからどのクラブも活発だが、2019(令和元)年度は男子バスケットボール部、陸上競技部、ワンダーフォーゲル部が関東大会に出場している。
「“グローバルよりもまずはローカルだ”と考えています」と根本校長。海外に目を向けることも大切だが、日々お世話になっている方々に感謝して、地域や身近にある課題をしっかり考えられる人間になって欲しいという。それを実践しているのが、土曜講座や生徒会活動の一環である「SVOC」(専修ボランティアお助けサークル)だ。近隣地域を観察し、生徒自ら課題を見いだしていく。例えば、旧区立新泉小学校で区や地域と協力して行う「防災・消防フェスタ」では、集客力をアップするために子供が楽しめるゲームコーナーやイベントを企画。参加した生徒会副会長の丹治さんは、「子供たちが喜んでくれたことがとても嬉しかったです」と振り返る。他にも、沖縄タウン杉並和泉明店街のハロウィンイベントを発案するなど、いろいろな企画を実施。地域との交流から、周りの人々への感謝の気持ちを持つことや協力することの大切さを学んでいる。
また、生徒会を中心に東日本大震災被災地支援のために、被災地の視察や募金を行うなど、奉仕活動も活発である。生徒会会長の藤嵜さんは、「震災からの年月が経っても、被災地の現状をみんなに伝えて行くことは大切だと思います」と、意欲をみせていた。
根本欣哉校長のメッセージ
「楽しくなければ学校じゃない、でも楽しいだけでも学校じゃない。これが私の教育方針です」
校訓
「誠実・努力」「報恩 奉仕」
主な地域活動
・「SVOC」による地域交流
・杉並和泉学園校区地域教育推進協議会主催「ふるさと和泉 みんなの夏祭り」への参加(チアリーディング部)
・和泉親児(おやじ)の会主催「グリーンキャンプ」への参加(ワンダーフォーゲル部)
・講座開催:根本校長による和泉第二町会文化講座「百人一首を学ぶ」
イベント情報 ※詳細は公式HPを参照
・いずみ祭(文化祭):9月中旬
・学校説明会:年4回(10月・11月、各2回)
著名な卒業生
柳家小きん(落語家)、東貴博(タレント)、井上奈々子(声優)、石井優香(キャスター)、大内田悠平(俳優)
生徒数(2019年度)
3学年合計:1,278名