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杉並学院高等学校

専門家と連携し、生徒の可能性を広げる

高円寺駅と阿佐ケ谷駅のどちらからも高架下を歩いて約8分、カラフルな校舎が目を引く杉並学院高等学校がある。1923(大正12)年に「奥田裁縫女学校」として開校し、当初は東京府小石川区に所在、1926(大正15)年に現在の場所に移転した。
入学時より国公立や難関私立大学を目指す特別進学コースと、中堅大学を目指す総合進学コースに分かれているが、2年進級時に学習状況や適性によりコースを変更することもできる。また、SILSS(※)という、生徒一人一人の日々の学習を支援するシステムがあり、大学受験専門の指導員が常駐する個別指導や、夏・冬・春の長期休暇中に講座を受けることもでき、映像講座は全員に貸与しているタブレットを使用し受講できる。「中学3年の受験生の保護者の皆様からは、“入り口に対して進学する際の出口が広い、お得な学校ですね”とよく言われます」と堀井教頭は話す。

校舎は2000(平成12)年の共学化でカラフルに改築された。「生徒たちの明るい笑い声と授業中の集中した表情があふれる学舎です」と、堀井教頭談(写真提供:杉並学院高等学校)

校舎は2000(平成12)年の共学化でカラフルに改築された。「生徒たちの明るい笑い声と授業中の集中した表情があふれる学舎です」と、堀井教頭談(写真提供:杉並学院高等学校)

全国レベルで活躍する部活動

部活動では、ゴルフ部・合唱部・バトントワーリング部が全国レベルで活躍している。ゴルフ部は多くのプロゴルファーを輩出していることでも有名だ。合唱部は毎年定期演奏会を開催しているが、2019(令和元)年は現役生徒と卒業生で構成する「杉並学院・菊華女声合唱団」が、第72回全日本合唱コンクール全国大会の大学職場一般部門に東京都代表として出場し、金賞を受賞。バトントワーリング部は毎年、全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)のハーフタイムに出演しており、大会出場以外にも活躍している。
また、演劇部、吹奏楽部、合唱部は、高円寺や阿佐谷の商店街のイベントに参加するなど、地域活動にも力を入れている。演劇部は2018(平成30)年12月に、座・高円寺で上演された市民劇「クリスマス・キャロル~桃園川の精霊~」に参加した。現在は暗渠(あんきょ)となっている杉並区天沼の桃園川の流れをよみがえらせる「桃園川のせせらぎを甦らせるプロジェクト」に関わることで、地域の人々と交流し、多くを学んだという。

2008(平成20)年から元プロゴルファーの鷹巣南雄(たかす なみお)選手がゴルフ部の監督を務めており、入部を目的に入学する生徒もいる(写真提供:杉並学院高等学校)

2008(平成20)年から元プロゴルファーの鷹巣南雄(たかす なみお)選手がゴルフ部の監督を務めており、入部を目的に入学する生徒もいる(写真提供:杉並学院高等学校)

教員は、チャレンジする生徒の心強い応援団

入学すると、まず4月に2泊3日で、集団生活をしながら杉並学院での心構えを学ぶ移動教室がある。「グループワークを多く取り入れ親交を深めながら学んでいくので、とても盛り上がります。共に生活する中で、自分の時間や他人の時間の使い方についても考えて欲しい」と工藤校長は話す。けじめのある生活態度を身に付け、行事や授業で生徒が互いに協力し合うことが、通称「杉学生(すぎがくせい)」の力の源となるのだそうだ。
また、福嶋教頭は「教員は、チャレンジする生徒の思いをとても大事にしています」と言う。2019(令和元)年は、「悩みやストレスを友達や先生との会話の中で解決できる環境を作りたい」という生徒の発案で、講演会を実施した。教員が生徒の自主性を認め、指導やサポートをしている雰囲気が伝わってくる。「何より、生徒の成長を見ている私自身がとても楽しいんです」と語る堀井教頭に笑みが浮かんだ。

制服は2019(令和元)年度からポロシャツを導入。「冬でも本人が暑いと思ったら夏服を着て良いんですよ」と福嶋教頭(写真提供:杉並学院高等学校)

制服は2019(令和元)年度からポロシャツを導入。「冬でも本人が暑いと思ったら夏服を着て良いんですよ」と福嶋教頭(写真提供:杉並学院高等学校)

基本情報

工藤敏夫校長のメッセージ
「杉並学院高等学校は、グローバル化など今後社会の大きな変化にも柔軟に対応して活躍できる人材の育成を大きな目標として掲げています。3年間の在学期間は長い時間ではありませんが、本校から次の時代に向け、世界に飛躍する若者を育てたいと願っています」

建学の精神
自立・成楽 -社会に役立つ人であれー

主な地域活動
・地域のイベント(阿佐谷ジャズストリート、高円寺フェス、杉並区総合文化祭、杉の子睦会コンサート、阿佐谷クリスマスイルミネーション点灯式)への参加:吹奏楽部・合唱部
・区立杉並第六小学校、区立大宮中学校の音楽会への参加:吹奏楽部・合唱部
・高円寺商店街イベントへの参加:演劇部

イベント情報 ※詳細は公式HPを参照
・学校説明会:夏休みに2回、10月~12月に5回
・部活動体験:夏休み
・杉学祭(文化祭):9月初旬の土・日曜

著名な卒業生
石川遼(プロゴルファー)、薗田峻輔(プロゴルファー)、浅地洋佑(プロゴルファー)、中里光之介(プロゴルファー)、天海祐希(女優、2年修了後に宝塚音楽学校に入学)

生徒数(2019年度)
3学年合計:1,149名 30クラス
(現1年生:特別進学コース5クラス、総合進学コース5クラス)

※SILSS(シルス):杉並学院独自の学習支援システム。放課後学習や長期休暇中の進学講習を支援する個別指導(有料)を行っている

南ヨーロッパをイメージしたアトリウム。生徒は「この学校は個性あふれる人たちに恵まれていて、学校中どこに居ても笑い声が聞こえてくるところが良い」と言う(写真提供:杉並学院高等学校)

南ヨーロッパをイメージしたアトリウム。生徒は「この学校は個性あふれる人たちに恵まれていて、学校中どこに居ても笑い声が聞こえてくるところが良い」と言う(写真提供:杉並学院高等学校)

夜になると光輝くトップライト(写真提供:杉並学院高等学校)

夜になると光輝くトップライト(写真提供:杉並学院高等学校)

DATA

  • 住所:杉並区阿佐谷南2-30-17
  • 電話:03-3316-3311
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://suginami.ed.jp/
  • 取材:加藤智子
  • 撮影:写真提供:杉並学院高等学校
  • 掲載日:2020年01月06日