TEAM NAMISUKE(チームナミスケ)は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に立ち上げられた杉並区の新ボランティア制度。これまでは杉並区交流協会や杉並ボランティアセンターで個々に行っていたボランティアに関する取り組みを一元化した仕組みである。
区には東京2020大会を迎えるにあたって、独自のレガシー(※)を残すという目標があり、TEAM NAMISUKEもその一つとして2019(令和元)年5月にスタートした。区民が気軽に登録できて、ボランティア活動を長く続けられる制度を、大会後も引き継いでいく予定だ。
TEAM NAMISUKEのメンバーとして活躍中の高木文夫さん、松本淳二さん、梅垣貴将さんの3名に、活動の特徴や魅力について話を伺った。
※2020(令和2)年3月、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の延期が決まりました
TEAM NAMISUKEへの登録は簡単。杉並区ボランティア登録サイトにアクセスし、入力フォームから連絡先や興味のある活動ジャンルなどの必要事項を送信するだけだ。
ボランティアにチャレンジする区民が、得意なことや興味関心の高いものに参加できるよう、活動ジャンルは8つ用意されている。①語学ボランティア、②ホームステイ・ホームビジット、③区内イベント、④環境・美化、⑤防災・防犯、⑥教育、⑦福祉・医療・介護、⑧保育・子育て、があり、複数選択が可能だ。例えば海外経験の長い高木さんは、「異国での生活の際に多くの人々に助けられたことへの恩返しとして、日本を訪れる外国人のサポートがしたい」という思いがあり、現地で身に付けたイタリア語などの語学力を生かし、語学ボランティアに登録している。
登録後、さっそく2019(令和元)年11月の「すぎなみフェスタ」などでボランティアに参加した3名は、「TEAM NAMISUKEの魅力は世代間交流にある」と声をそろえる。TEAM NAMISUKEがボランティアへの初参加だったという松本さんは、「現場に一体感があり、出会った人とすぐ仲良くなれるところが良かった。また、学生からシニアの方まで参加していて、自分の知らないことを教えてもらえた」と話す。他にも、今まではあまり関心が向かなかった地域のことを知ったり、仕事や普段の生活だけではできない経験をしたり、ボランティアで得られるメリットはたくさんあるという。
また、ボランティアに参加して3つスタンプを集めると特典がある。区内でアート活動をする「すぎなみ戦略的アートプロジェクト」のメンバーがデザインしたオリジナルユニフォームがもらえるのである。2019(令和元)年12月2日に贈呈式が行われ、今回取材をした3名も真新しいユニフォームに袖を通した。
TEAM NAMISUKEは「すぎなみフェスタ」以外にも、さまざまなイベントをサポートし、活躍の場を広げている。
2019(令和元)年8月に開催されたアートイベント「東京2020参画プログラム BATA ART EXHIBITION」では、区立阿佐ヶ谷中学校で夜間に展示された照明「スタードーム」の設置や、安全管理などに協力。イベント主催者は、「TEAM NAMISUKEに登録している40~60代の男女数名が手伝ってくれました。中には、さまざまな現場で活躍してきたベテランのボランティアの方もいて、大きな声で誘客したり場内整理をしたり、率先してスキルを発揮してくれました」と話す。
また、2020(令和2)年1月には、ネパール人の子供のための学校「エベレストインターナショナルスクールジャパン」で、アニメ制作体験の特別授業をサポート。約10名のボランティアが子供たちの作品作りを手伝った。現場のスタッフは「TEAM NAMISUKEの皆さんは、子供と同じ目線で手助けし、片付けも一緒にしてくれました」と、積極的な行動に感謝していた。
▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並のイベント>BATA ART EXHIBITION
EXPERIENCE SUGINAMI TOKYO>Clay-Animation by Everest International School, Ogikubo(外部リンク)